第81話 時限爆弾とオレ。

 ≪並列思考≫≪情報分析≫奇術行使!!


 オーブを南のゴーレムに食わせる計画を立てる。


 水魔法、土魔法、風魔法の複合魔法ミックスで得られる≪レター≫により、肩の島にある冒険者ギルドと連絡をとる。冒険者ギルドを通して南のゴーレムに滅紫めっし色の魔力を吸収してもらえるか確認する。


 南のゴーレムの移動では、移動した後が砂漠化してしまう。


 一歩、一歩。オーブに近づく。激しい魔力の波が体にぶつかる。

 『触れている間、流れてくる魔力を吸収し続けられるか?』

 『このくらい、100日でも問題ありません。』

 一歩。

 『90日くらい問題ありません。』

 一歩。

 『80日くらい問題ありません。』

 ・・・

 オーブに触れる。

 『6日くらい問題ありません。』

 ギリギリでちゅ!


 オーブを持ち上げ・・・持ち上がらん。

 重いでちゅ!


 「ハーナ。俺が魔力操作し続けるから、オーブを運んでくれ。」

 「わかった~。」


 ハーナにオーブを持たせ、オレはオーブから流れる魔力を黒真珠のネックレスに流し続ける。

 「プラム。スイッチを切って大丈夫だ。ナーナとアンズは、アゲハを連れてきてくれ!」


 アゲハに無理してもらい、寝ずに南のゴーレムまで移動すること5日。

 『けぷっ…。けぷっ…。』


 ごうーーーん。ごうーーーん。

 『圧縮魔力。エネルギー。』


 ごうーーーん。ごうーーーん。

 『直接吸収必須。コアまで運搬。』


 南のゴーレムが、胸まで割けるほどに大きく口を開けると、辺りは真っ暗な闇におおわれる。

 『アゲハ!肩の島で待機しててくれ。』

 「みんな!飛び込むぞ!」

 「にゃ?!」

 「プラムは風魔法使えなかったな。アンズとナーナでフォローしてくれ。」


 オレたちは、南のゴーレムのくちに飛び込む。


 ≪並列思考≫≪ウィンド≫≪ライト≫

 落下速度を調整しながら、闇の奥深くへ奥深くへと落下する。


 『ダンジョンマスター。けぷっ…。そろそろ、限界…。けぷっ…。』

 『もう少しだ!耐えろ!』


 時間が停止したような空間が続き下方にちらりと光が見えてくる。

 光は地面に反射する魔力光で段々とはっきりと見えてくる。


 『けぷっ…。げ、げげ、限界…。』


 着地した先はコアのある部屋で、コアにゆっくりと魔力を流し込む。

 半日ほどで、あらかたのオーブの魔力を流し終える。


 『はぁ~スッキリ~☆』


 ウォーン!ウォーン!ウォーン!ウォーン!

 危険でちゅ!危険でちゅ!


 「な、何だ?!」

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