第68話 ハンティングと俺。

 「10日も寝ずに戦い続ける事になった。」

 「しばらく、魚は見たくないみゃ。」

 「ごしゅじん~。今は、浮島うきじまについたことを~喜ぶ~」


 船の墓場から抜け出し、1日の距離に浮島はあった。

 浮島は、山より高い所に浮かんでいるが、結界により島の中は暖かい。

 島全体は、濃いブルーのクリスタルで出来ていて、家の壁も歩く道もスケスケだ。


 今は、夜なのでライトアップされたクリスタルがキラキラしている。


 「家の中まで、まる見えみゃ。」

 「この浮島はバドーリア王国領です~。カーテンとか~さえぎるもの~禁止されてるです~。」

 この国の王は変態でちゅか?

 「わ、忘れてたチィ。こんなところでは呪いの研究ができないチィ。材料買ったら、とっとと退散するチィ。」


 ルビルデと別れ、冒険者ギルドに滞在申告をして、空の窓亭という宿をとる。

 「すごいな。クリスタルの壁や床の向こうは、浮島の外か。まるで、闇夜に浮かぶ部屋だな。」

 「みゃ・・・足元に真っ暗な闇が広がって怖いみゃ。」

 「大丈夫だよ。」もふもふ。


 開放的な風呂にみんなで入り。開放的なベットでみんなで就寝する。

 寝ずの戦いの疲れで、みんなぐっすりと昼まで寝てしまった。

 起きると外からも丸見えの部屋は気恥かしい。


 「今日の予定を聞いてくれ。俺はナンパしてるから、みんなは自由行動だ。ダンジョンとかもあるらしいから、楽しんできてくれ。」

 「にゃにゃにゃにゃにゃ!にゃんぱ?!」

 前世の知識だと、なんか、凄い技の名前みたいでちゅ。


 「ここ~鳥人たちの楽園です~。3歩あるくと別の恋人がいると言われてるです~。」


 そして、俺は頑張った。朝も昼も夜も頑張った。


 結論を言おう。ダメだった。浮島では羽の綺麗な翼人がもてるでちゅ!

 恋が目的だから、悔しくなんてないでちゅよ!

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