第45話 ぺろぺろピーと俺。A

 冒険者ギルドにつくと、プラムが、たこ人の触手に絡みつかれ、あられもない姿で、もがいている。


 前世の知識でいう、触手プレイでちゅ。


 「は、話を聞くにゃー!」


 口に触手が突っ込まれる。

 もごぉっ、もごもご!

 「おだまりなさい!まったく、手間をかけさせる。」


 この状況は、なんなんでちゅ?

 「何してる!俺の連れがどうかしたのか?!」


 プラムは、恥かしいポーズで拘束されながら、涙目で訴えかけてくるでちゅ。

 「この駄猫が、ダンジョンが生成されるから緊急クエストを発動しろと、列の順番を無視して業務を邪魔したので、拘束しているところです。まったく、嘘をつくなら、もっとマシなウソをついてください。」


 「俺の優秀・・なプラムは、ウソをついていない。今さっき、温泉庭園は消滅した。」

 「はぁ?あなたもですか、まったく、迷惑な。」


 ちょうど、蝙蝠コウモリの翼人が冒険者ギルドへ飛び込んでくる。

 「爆発を確認してきた!庭園が、温泉庭園がなくなってる!」


 遠巻きに笑っていた者も含め、その情報に静まり返る。


 「もう一度言う、俺の優秀・・なプラムは、ウソをついていない。」


 ざわ・・・ざわ・・・


 拘束が解かれたプラムは、僕の腰にガバッとすがりついてくる。

 「ご主人様!御免にゃー!説得できなかったにゃー!時間無駄にしたにゃー!」

 「無駄じゃない。ダンジョンパラドックスに気づいてるのは、プラムだけだ。」

 優しく頭をなでてやる。


 「コーデリア・ター・フォン・コー!この騒ぎは何?」

 奥の部屋からクラゲ人の少年が出てきて、たこ人の女性に鋭い視線を向ける。

 「ギ、ギルドマスター・・・あの、その、」

 蛸がアセアセと蛸踊りをしてるでちゅ。


 「俺が説明する。」

 プラムが冒険者ギルドに駆け込んだ理由と、温泉庭園で起こった現象を説明した。

 ギルド内にいる誰もが、俺の話を静かに聞く。


 「ぺろぺろピー。ぺろぺろピー。」

 ク、クラゲ少年が壊れたでちゅ。


 「変な目で見ないでくれ。念話で親に確認しただけだよ。うん。空に浮いているダンジョンコアを確認した。」


 ざわ・・・ざわ・・・


 「これから、緊急クエストを発動する!クエストは・・・」

 「リキーダ住民すべての退避!!」

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