第19話 金魚亭でちゅ!

 「あーー♪やっと、お風呂入れるわ!」

 「その前にお食事でちゅ!」

 『街での食事じゃ!』

 「おーりぃの念動力は、宿屋でOKでちゅか?」

 「う、うん?面倒くさいからOKでー。」

 (まーぃは、適当でちゅねー)


 夕食

  白身魚のポアレ

  海藻とパリパリ人参のサラダ

  白パン


 「おいしーい!」

 「でちゅ!」

 「あ!人参よけてるでしょ?」

 「・・・」

 「好き嫌いはダメよ。ベーコンチーズのフリカケかけてあげるから、パクリしなさい。」

 「・・・食べなきゃダメでちゅか?」ウルウル

 「だめー。はい、あーんして。」


 パクリ。

 「あ、臭くないでちゅ。」

 「次からは、フリカケなしで食べられるようにするんですよ。」

 「はいでちゅ。」

 「オリビア様は、ちょっと目立っちゃいましたねぇ。」

 「でちゅ。」


 念動力で口に食べ物を運ぶ少女に周りの食事客はポカーンと釘付け、宿の女将からは迷惑だからと次の日から部屋に食事が運ばれるようになった。

 その後、街の怪奇現象として噂は広まっていく。


 「さぁ、次はお風呂よ!数ヵ月ぶりーーー。」

 『わしは部屋で待ってるのじゃ。』

 「ダメよ。」

 『クリーンの魔法かけるから清潔なのじゃ。』

 「ダメ。」

 『たまには二人でのんびり・・・』

 「ダーメ!嫌なら明日から食事ぬき。」

 『・・・うぅ』


 「ここのお風呂は、ハーブのシャンプーと石鹸が常備されてるのよ。あとで買っておかなきゃ。」

 「はーい。服脱いで」

 「はーい。隣にすわって」

 「まずは、背中の洗いっこ。」


 ごーしごしごし。

 ごーしごしごし。


 「ほかは各自洗ってね。頭はあとで洗ったあげるね。」


 ごーしごしごし。

 こすこす。


 「あら?オリビア様、洗いが甘いですね。」

 『そ、そんなことないのじゃ!』

 「スキヤキちゃん。オリビア様を万歳させてー。」


 ばんざーい。

 『や、やめるのじゃ!』


 ごーしごしごし。


 「次は股広げさせてー。」

 『や、やめぇ・・・』


 ごーしごしごし。

 バシャー!


 「次は頭ねー。」


 ワシャワシャ

 『(目に)は、入るのじゃ、ぬめぬめしたものが入って痺れるのじゃ!』

 ワシャワシャ

 『や、やめぇ・・・』

 バシャー!


 「お風呂って、最高ね!」

 『しくしく、けがされたのじゃ。もう、お嫁にいけないのじゃ。』

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