呪詛返し

ツヨシ

第1話

俺はかわいい嫁と幸せな新婚生活を送っていたが、ある日を境にがらりと変わってしまった。


まず身体がやけにだるくなり、熱も出た。


病院を三軒ほど回ったが、どこも明確な原因及び病状を示すことが出来なかった。


次は頭痛だ。


日によっても違うが、ひどいときは目も開けられないほどの痛みが襲ってきた。


そして階段から転落し、かばった右手を痛めた。


道を歩いていると、いきなり歩道に乗り上げてきた車にはねられて、左足を怪我した。


車はそのままどこかへ走り去った。


次には右目が急に見えなくなり、どこの病院で検査してもらっても、原因不明。


その上今度は左耳が聞こえなくなり、これまた病院をはしごしたが、どうにもならなかった。


最初に身体がだるくなってからここまでに要した時間は、たったの一週間なのだ。


――いくらなんでも、これはおかしい。


俺は足を引きずりながら、実家へ向かった。

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