堕神狩り

青柳夜雨

ある昔話より

それは昔々の物語。とてもとても古いお話。

この星では人々が互いに争い、血みどろの戦争を繰り広げていました。

その炎は人だけでなく、大地を焦がし、海を穢し、多くの生き物の命を焼き尽くしたそうです。

それを見ていた六柱の女神様は大いに嘆き悲しまれました。

ある女神様が言いました。

「こうなったら人間を滅ぼし、この星を救いましょう」

女神様達は互いに頷き合うと、手を取り合って、大地に向かって飛び発ちました。


相争っていた人々は天から舞い降りる六つの大きな光を見ました。

その光は大地にぶつかる前に数え切れないほどの小さな光に分かれました。

人々は女神様が地上に降りてこられたことを喜び、争うことも忘れ、一つの光の落ちた先に向かいました。

しかし、そこにいたのは女神様などではなく、見たこともない大きな大きな怪物でした。

その怪物は近寄ってきた人だけでなく、その争いごとをしていた人たちを残らず食べてしまったのです。


その日以来、世界中にいろいろな怪物が表れ、人々は夜も眠れない日々を過ごすことになりました。

人々は困り果て、争いを止めて、手を取り合って怪物達と戦うことになりました。


この怪物は『堕神おちがみ』と呼ばれ、今でも人を襲うのです。

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