白き方舟から墜落するは


望遠鏡を覗く

彼らの眼は、丸くなる



その方舟から、黒い点が、

落ちてくる



雲を通り抜け天から降る様に落ちていく、




花弁か、風花か。

左右に、揺らいで落ちていく








揺らいで、

まるで空の上に床があるかの様に








その動きは、



   ぴたり、と





       止まる。















それは束の間だった。







ぷつり、

吊られて糸が切れる音。




瞬間、凄まじい重力に引かれて

落ちていく点。






轟々と音を立てて



影から


面、





更には

正方形の箱へと姿を変える





無残に切り裂かれていく羊雲、


狼が獲物喰らうかが如く、


獰猛な一直線。









狂った様に落ちる





ついに、飛行艇の窓へ







――っ、破裂音…!



轟音、豪風、耳を劈く悲鳴の様な声。



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