その4 パニエ


 ヴィクトリア朝時代よりはもうちょっと遡って、どちらかというとマリー・アントワネットとかのフランス革命の頃のフランスで流行していたものみたいですけど、

 ついでなのでご紹介しておきましょうか。


 パニエ――意味は「鳥籠」らしいので、基本的にはクリノリンと同じです。

 骨組みだけのクリノリンとちょっと違うのは、骨組みの上に布を張っていたということでしょうか。


 籠をスカートの中に仕込んでいたクリノリンに対し、

 パニエはランプシェードのをスカートの中に仕込んでいたとご想像頂ければよいかと。


 もうひとつ、クリノリンとの形状の違いとして顕著なのは、

 全方位に円形に幅を持たせるのではなく、左右に大きく広がっていたところでしょう。


 籠仕込んでるクリノリンより歩きやすそうな気がしないでもないですけど、動きにくさはどっこいでしょうね。左右でわっさわっさしているんですから。



 このパニエ、多少形を変え、現在もこの呼称で残っています。

 ウェディングドレス等はスカート部分を広げる為に使用されています。


 また、これはちょっと特殊なファッションなのであまり知られていないかもですが、

 ロリータファッションの愛好者の方々は必ず持っていると思います。

 アントワネットの時代のようなものではなく、膝丈くらいで、ちょっと硬めのチュール素材が何枚も段重ねになっているタイプが主流でしょうかね?


 因みにロリータファッションは、永遠の少女性みたいなものがテーマなので、コルセットで腰を引き絞って腰から下を大きく見せるのではなく、

 寸胴体型にしたうえで、スカートをふんわり広げて愛らしく見せているので、アントワネットの時代のパニエとはちょっと見せ方が違うと思います。



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