回転

 少女は回転の夢を見ている。

 爪先から足裏を通って踝へ。

 直濡れた枝先から零れた朝露が、真冬の地面に落下して凍り付くように。

 数億年先の未来を望む厭世観が。

 眼前の春を望む哀しい原罪の怪物が。

 たった数百瓦の心臓の裡で蠢いている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る