羨望

 白く輝く海岸線。蒼く広がる海。

 漣が幾度も引いては寄せ、私を大海原へと誘い込む。

 見上げれば天を覆う入道雲が高く、高く泳いでいた。

 ラジオノイズ。

 海に入り込んだ片足を引き、拳を握る。

 振り降ろした拳は海面に波紋を作り、刹那泡に消えた。

 口端に飛んだ海水が妙に塩辛いのだった。

 

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