無題
斑鳩彩/:p
秋晴れ
ドアを開けると、金木犀の芳香が鼻腔を突いた。
肌に直接感じる日光が何故か懐かしいような気がして、思わず空を見上げる。そろそろ太陽は直視しても良いほどに柔らかくなっていて、数週間前までは光の一刺しが心に重く響いていたのが嘘のように思えた。
吹き抜ける風が体を温く包み込み、それに釣られて外の世界へ完全に足を踏み出す。空は何処までも澄んで青いのに、体が受ける刺激が足りないのはどうも変な気分だった。
ある程度歩を進めると、景色の良い高台の前まで辿り着く。
遥か遠くに、小さく聳える高層ビルを俯瞰して、秋が来たんだと知った。
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