ホワイト タウン

バランスボール

紅茶一杯目 

 進学校に通う高校生にとって一番大事なもの、それは定期試験だ。

そして俺はその定期試験で全教科満点をたたき出したイケメン、二見椎名だ。


「ついに、ついにとれた!!全教科満点!!ご褒美にコンビニでジュース買ってこ。」


俺ははしゃぎながらコンビニに入る。

そう、俺はご褒美にしかジュースを飲めないような貧乏学生なのだ。


コンビニで炭酸ジュースを買い上機嫌な俺は何を思ったのか一気飲みしようと考えた。


当たり前の結果だ。普段炭酸を飲み慣れていないのに一気飲みなどできるはずない。


とてつもない吐き気に襲われ目を閉じ、吐くのを覚悟した。

そして今、その時が来る前兆に襲われている。

のどを広げできるだけ負担がないようにし、下を向く。

ついにそのときが来た!!

人前だろうが気にしねぇ、だって我慢できないからな。

一通りの行為が終わった後、惨劇を目視しようと周りを見る。


しかし、そこにはさっきまで見ていたコンビニなどは無く、無数の星が広がっていた。


そして目の前には…

俺の嘔吐物まみれの金髪の美少女がいた。


「オー!!ソーリー!!アーユーオーケイ?」


「大丈夫なわけあるか!!せっかく今日は英雄になり得る人が来るって言うからお近づきになろうとおもって可愛い服着てきたのにあんたのせいでべっとべっとのクッサクッサじゃない!!」


「俺がその英雄って言う可能性は……」


男子高校生のおれにとってはこれはまたとないチャンスだ。ここでおれをその英雄だと思い込ませればこの子とお付き合いできるかもしれない。

進学校の生徒だって普通に男の子なのだ。


「それはない、あんたの時計がまだ12時だって言ってるじゃない。英雄様の卵が来るのは13時なの。ほら、アンタみたいなジャガイモ男はとっとと転生しちゃいなさい。」


お付き合いどうのこうのなんかよりヤバいことが起きてる気がする。


「えっ、ちょ!!説明とかは!?」


「うるさいわね!!ゲロぶちまけた上に説明しろだなんて図々しい。とっとと転生しちゃいなさい!!」


「謝るから!!謝るからせめて今の現状を説明して~!!」


とたんに俺の視界は真っ白になった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

しかし、その時金髪の美少女のうしろにあった古時計は1の針を指していた。


「あれ、もう13時だわ!!おかしいわね、さっきまで12時だったのに。まぁ長く生きてたら1時間くらい一瞬よね。」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 俺の視界はまさに中世ヨーロッパ時代の街並みという言葉でしか表せないような場所にいた。

 とりあえず待ちな住人に情報収集をする。


「あの~旅のものなんですが……。」


「あー、ギルドならあっちだよ。」


たまたま通りかかったでっかい肉を背負ったおっちゃんが教えてくれた。


言われたとおりに進むと、ギルドは……







定休日だった。




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