第34話 ダメ姉は、脱がされる
―――さて。コマに自身のトラウマを打ち明けられ、甘えて良いよとコマに告げ姉妹の距離が一歩近づいたその後の話をしようか。
あの後は先生たちに告げていた通り、念のためコマに異常がないか診察してもらおうと大学病院とコマの味覚障害の担当医であるちゆり先生の診療所へコマを連れて行った私。
診察結果はコマが推察していた通り、寝不足による貧血及び一時的なパニック障害。なので十分睡眠をとれば問題ないとのこと。それに加えて昼ご飯の時にいつもよりも味覚の戻りが遅かったことについてはちゆり先生曰く、
『元々コマちゃんの味覚障害は以前から説明している通り、心因的なものが主な原因でしょうからね。寝不足による体と心のバランスが崩れたからこそ味覚の戻りも遅かったのだと思うわ。だから今日しっかり眠れば、明日にはちゃんといつも通りに戻るわよ』
『ほ、ホントですか?良かった……』
『……んー。と言うより。今すでにコマちゃんは精神的に落ち着いているわけだし、夕食の時はいつも通りになっているんじゃないかしら?』
と仰っていた。先生の推察通り夕食の際はいつも通りの時間でコマの味覚も戻ったし、これで一安心と言うわけだ。
……ちなみにこれは余談だけれど、先生は私たちが帰る際。
『本当なら医者として、ここは睡眠導入剤や安定剤あたりを出すべきでしょうけれど……ふふっ♪』
『……な、何でしょうかちゆり先生……?どうして私と姉さまを見て笑うのですか?』
『今日の処方箋は私からは無しよ。今コマちゃんに一番効くお薬は―――マコちゃんとの添い寝でしょうからねー♪』
『~~~~~~~~~っ!?ね、姉さま!は、早く帰りましょう!!今日は失礼しました先生!!!』
なんてことを素敵なスマイルで告げてくれた。コマのトラウマの内容自体は先生にも一切話していないのに、全て見抜いているみたいな口ぶりだったのは流石ちゆり先生だよね。私もあんな察しの良い大人になりたいものだ。
それはさておき。その日の夜はコマと約束した通り添い寝をした私。……コマと添い寝した正直な感想を一言で述べようか。コマとの添い寝は…………天国であり地獄だった。
『……すみません姉さま。ベッド……狭くはないですか?』
『だ、だいじょうぶ……こ、コマこそ平気?あ、暑くない……?』
GWの時と同じように、今回も私の部屋でコマと添い寝をすることになったのだけれども……
『ふふっ♪私も大丈夫ですよ。どちらかと言うと今日は寒いくらいですし』
『あ、コマ寒い?……そう言われると確かにちょっと冷えるね。だ、だったら掛け布団もう一枚出そうか?』
『……いいえ。必要ありませんよ。だって掛け布団なんかより―――えーい』
そう言ってもぞもぞと布団の中で動き、愛らしい掛け声とともにコマは……
『こうやって、姉さまとぴったりくっつけば、寒くありませんから♪』
『ふ、ふぉおおおおおおおおおお!!?』
私の無駄に大きな胸へダイブするかのようにぎゅっと思い切り抱きついてくる。こ、コマったらなんて無防備な……!?い、いやそりゃ確かに実の姉に抱きついても、普通は何も問題ないだろうけど…………問題ないはずなんだけれども!!
シスコン+変態=ダメ姉な私に、ただでさえコマとの添い寝と言うシチュエーションにドキドキしている状況下で抱きつくだなんて鴨が葱を背負ってお湯沸かして『姉さま、私を召し上がれ♡』って言ってるような真似であり、これはひじょーに危険すぎる行為だと思うの……
『え、ちょ……あ、あのコマさん!?なに、何をぉおおおおおお!?』
『わざわざ掛け布団を出すよりもこっちの方が手間がかからずに済みますよ。ですよね?』
『で、でもですねコマさんや!?わ、私としては大歓迎と言うかバッチコーイ何だけど……こここ、これだと……ホラ、コマが寝苦しいことになりはしませんかね!?』
いかん……このままでは色々とマズいことになる…私の中の欲望と言う名の狼が、可愛い可愛い羊のコマを美味しく食べてしまいかねん。そう考え、警察にお縄にかかる前にコマに慌てて離れるように説得を試みたのだけれども。
『いいえ。暖かいですし寧ろ私はこっちの方が落ち着いてよく眠れます。だってこうすれば雨も雷も怖くありませんもの』
『そ、そうなの……?』
『ええ。……ああ、こうやって姉さまの腕の中にいると……私とても落ち着きます。抱いてもらっている腕から感じられる姉さまの温もりが、ほのかに香る石鹸とシャンプーと姉さま特有の柔らかな香りが、その全てが私を包み込み守ってくださってくれて……私、姉さまに抱いてもらっているんだなって思えて嬉しくなります』
本当に嬉しそうな口調でそんな大胆な発言をしちゃうコマ。だ、抱いてもらっているって……ああもう。意識はしていないだろうに、どうしてコマはナチュラルに私をドキドキさせちゃうようなこと言うんだろう……?
何なの?暗に私に襲えとでも言ってるの?
『ホントに……?こんなのでホントに落ち着けるんコマ……?』
『とても落ち着きます。特にトクントクンと感じる姉さまの温かくて優しい鼓動が一番落ち着きますね。……こうしていると姉さまの胸の鼓動が子守唄のように聞こえてきて……時折姉さまの鼓動と私の鼓動が
『あ、ああうん。そう言えばそんなことしてたっけ。……じゃ、じゃあこのままで、良いの……?』
『このままが良いんですよ。昔から、この音を聞いていると雨だろうが雷だろうが何だろうが、怖いものなんて何もないって思えるのです。だから私……こうやって眠るの好きなんです。姉さまさえ良ければ……どうかこのままで……』
コマは胸の鼓動を確かめるように私の胸に耳を当てながら、上目遣いでおねだりする。
『……姉さま。姉さまはやっぱりこうやって眠るの、嫌ですか?ダメ……ですか?』
『だ、ダメじゃない!ダメじゃないよコマ!……ダメじゃない……んだけど……』
『だけど?』
『…………私がダメになりそうッス……』
『……?あの、それは一体どういう……?』
私に絡みつくコマの長い手足、すぐ近くに感じるコマの温もりと香りとコマの吐息。そして抱かれているからわかるコマの形の良い柔らかなお胸。
一瞬でも気を緩ませると、鼻血が大量に噴射し……最悪抑えきれずに大事なコマに私が手を出しかねないこの状況。まさに天国であり地獄である。
『いや、何でもないの……と、ともかくお休みコマ。良い夢を……』
『はい。おやすみなさいマコ姉さま』
それでも最愛の妹の貞操と安眠時間を守るため、なけなしの理性をフル活動させて自分自身と戦い……ガリゴリとその理性が限界まで削られながらも何とか朝まで持ちこたえた私であった。
◇ ◇ ◇
「―――久しぶりに晴れましたね姉様。気持ちの良い天気ですよ」
「そうみたい……だね。それでコマ?調子はどうかな?」
「ええ、姉さまのお陰で昨日は久々にぐっすりと眠ることができました。今日は私、とっても元気です♪」
悶々とした眠れぬ一夜が明けた今日。私の添い寝も効果があったようで熟睡できたらしいコマ。その顔色はとても良く、まるで生まれ変わったかのようにすっきりとした表情をしている。
そんな心も体も晴れ晴れとなったコマの気持ちを代弁するかのように、外は久々に青空が見えるくらいの快晴となっていた。
「私はもう大丈夫です。姉さま、それに叔母さま。心配してくださり本当にありがとうございます。お陰で元気になれました」
「いやいや、大したことしてないよ。とにかくコマが元気になってよかったよ」
「アタシは何もしてねーな。ま、元気になったって言ってもまだ本調子じゃないだろうし、今日まではゆっくり休みなコマ」
私の部屋で丁寧に頭を下げて感謝の気持ちを伝えてくれるコマ。元気になってくれたコマに、普段はぶっきらぼうな叔母さんも……それから現在ベッドに横たわっている私も嬉しくてつい頬が緩んでしまう。
……それにしても。雨降って地固まるなんて言葉もある通りコマが倒れた時はどうなる事かと思ったけれど、終わってみれば私もコマも前に進む事が出来て良かったと思う。
昨日は素直に甘えてくれたり今までため込んでいた心中を告白してくれたコマ。この勢いで味覚障害も治ってくれるかと淡い期待をしたけれども……残念ながらいつも通り口づけをしなければ味覚は戻らない仕様に戻っただけであった。
「(ちゆり先生の言う通りなら、コマの味覚障害の主な要因は精神的なストレス。今回の件で治らなかったってことは……根本的にはコマのあの日のトラウマや精神的な揺らぎは解消されていないってことだよね)」
トラウマになっていた事にもっと前から気づいてあげられたら……もっと早く心のケアが出来ていれば良かったんだけど。まあ、今更そんなこと思っても仕方がない。
一体どういうアプローチでコマの味覚障害と向き合うべきかこれまで悩んでいたけれど、今回の一件のお陰ではっきりと私がやるべきことが理解できた。
根深くコマの心を捕えている過去の呪縛。それを少しづつ溶かしていけば…、マを蝕んでいる味覚障害も克服できるかもしれない。そう思ったら希望が見えてきたと思う。
「コマ。これからはさ、悩みとか苦しいことがあったら私に遠慮せずに相談してほしいな。今の私じゃ頼りないだろうけど……頼れるお姉ちゃんになれるように頑張るから。だから……お願いね、コマ」
「……はいっ!」
暗雲立ち込む梅雨の季節だったけど、今日のこの空のように希望と言う名の一筋の光が差し込んだ6月。今回は大事に至らずに済んで良かったし、姉として一歩前に進めて良かった。
立派な姉を目指すべく、そしてコマの味覚障害を打破すべくこれからもっと頑張ろう私。
「―――なーんて。このまま終わればマコも珍しく姉らしい事が出来てなんか良い話風に終われるんだろうけど……残念だったなぁマコ」
「……や、やかましいわ叔母さん……」
……と、まあ叔母さんの言う通りここでこのまま物語を畳むことが出来れば、きっと今回の話も何かちょっと良い話っぽく終わることが出来ただろうけれど…どうやらそうは問屋が卸さないようで。
今回の話はちょっとした、私らしいオチがある。
「……姉さま。その、私はもう大丈夫なのですが……姉さまこそ大丈夫ですか……?」
「へ、平気だよ平気……心配いらないよコマ……ははは…」
「ほー?平気ねぇ?ホレホレつんつんっと」
「あ、あだだだだだだだ!?ば、バカっ!叔母さん!痛いっ!何すんのさ!?」
面白がって私の身体を容赦なく突いてくる叔母さん。突かれると軋むように全身に痛みが走る。お、おのれ叔母さん……!こっちが動けないのを良いことにィ……!
「ハハッ!全然平気じゃないなこりゃ」
「お、叔母さま止めてあげてください。姉さまがこんなことになったのは私のせいですし……私が……その、重たかったせいで……」
「い、いやコマのせいじゃないよ……コマ軽いし……」
昨日と立場が逆転して、何故かベッドに横たわる私とその横たわっている私を心配そうに見つめてくれるコマ。
一体私に何が起こったのだろうかって?それはだね―――
「やれやれ。珍しくコマに良いところ見せたその翌日がそのザマじゃ締まらねぇなマコ。ちょっとコマを運んだだけで筋肉痛になって動けなくなるとかいくら何でも運動不足なんじゃないか?」
「ね、年中引きこもりの叔母さんにだけは言われたくないわ……あー、いたたたた……」
昨日体育館で倒れたコマを、この私が一人で抱きかかえて保健室まで連れて行ったのは覚えているだろうか?
……その時は何ともなかったのだが。今朝起きたらちょっとでも身体を動かすとズキズキとうずく痛みが走り、ベッドから起き上がることができなくなった私。全身筋肉痛になってしまったのである。
……どんだけ筋力がないんだ私。見栄を張ってお姉ちゃん面してかっこよくコマをお姫様抱っこした結果がコレですよ……
「今日が学校休みで良かったよ……と、とりあえずコマ、叔母さん……ゴメン、お昼までには頑張って回復するから……朝ごはんは作り置きのやつ食べておいて……」
立派な姉になると決意した直後にこの有り様とか恥ずかしいやら情けないやら。
とにかく今は姉としての威厳を取り戻すべく回復に専念しよう……朝ごはんを作る余裕はないけれど、せめてお昼ご飯の時間までには何としても動けるようにならなきゃね……
「へいへい。んじゃマコも今日一日はゆっくり身体を休ませな。アタシはこれから飯食って部屋で仕事するけど……コマ、病み上がりで悪いけど後は任せて良いか?」
「ええ勿論です叔母さま。姉さまの看病は私が引き受けます。…………と言うより、私にやらせてください」
「……へいへい。わかってるよコマ。んじゃーなマコ、お大事に」
何故か苦笑いをしながら、手を振って私の部屋から立ち去る叔母さん。部屋に残ったのは私とコマだけだ。
と言うか……え?看病……?コマは何を言っているんだろう?
「そう言うわけですので姉さま。昨日のお返しと言っては何ですが……今日は姉さまの看病、私がやります。どうか私に全てを任せてください」
「いやいや看病って……そんな大げさな。ただの筋肉痛だしそのうち自然に治るし、看病の必要は―――」
「いいえ!」
そんなもの必要ないと言おうとしたけれど、その発言をコマに力強く一刀両断される。ど、どうしたんだ急に?
「たかが筋肉痛、されど筋肉痛。無理をすると悪化しかねません。ですのでここはしっかりとした看病が必要です。早いうちにケアをすれば当然治りも早くなります。姉さまだって筋肉痛を長引かせたくはありませんよね?」
「そ、それはまあそうだね……」
「でしょう?でしたら……姉さまは私の看病を受けるべきなのですっ!」
「そっか、受けるべきなのか……」
有無を言わせないように力説するコマ。ぶっちゃけ私のはただの筋肉痛なだけだし、無理をすると悪化しかねないのは昨日倒れて病み上がり気味なコマの方なのでは?とも思うけれど……ま、良いか。
「……じゃあコマ。悪いけどお願いしてもいいかな?」
「はいっ!この私に全て任せてくださいね!」
昨日と違って今日は本当に元気そうだし、折角こんなにやる気になっているんだ。コマの好きにやらせてあげよう。
看病をコマに頼み込むとぱぁっと明るい顔で胸を叩く。うんうん、良い笑顔で何よりだ。
「あはは。ならよろしくねコマ。……あ。ところでさ」
「はい?何でしょうか?」
「筋肉痛の看病ってさ、具体的に何をするの?」
「ふふっ♪それは決まっていますよ。では―――早速お風呂に行きましょう、姉さま♡」
「ふむふむ、お風呂ね。…………うん?」
…………お風呂?
◇ ◇ ◇
「はい、姉さま。着きましたよ」
「……う、うん」
「少しだけその椅子に座って待っていてください。今お湯を入れて準備をしますので」
「ハ、ハイ……」
コマにお姫様抱っこされて、辿り着いたのは我が家の欲情―――じゃない、浴場。……ええっと。どうして私はここにいるのだろう…?何か急展開過ぎて脳の整理が追い付いていない気がする。
確か……筋肉痛の看病をしてくれるとコマが言ってくれて。そしたら何故かお風呂に行こうという話になって。そんでもって身体を少しでも動かすと痛いだろうからと、動けぬ私を昨日と立場逆転してコマがお姫様抱っこしてくれて……後はあっという間にこの場所へ連れてこられて……それで……
「―――さま。姉さま!」
「ひゃい!?」
「お風呂沸きましたよ姉さま。さ、入りましょうね」
「あ、あの……コマ……?」
と、私が混乱している脳内を処理している最中にあっという間にお風呂の準備が完了したらしい。
未だに現状を理解できていない私をよそに、一度深呼吸をしてから私の服に手をかけるコマ。……え?え?
「ええ、わかっていますよ。姉さまは身体の痛みが辛くて一人で脱げないんですよね?安心してください。……そ、その。わ、私が責任もって姉さまを…………脱がしてあげますからっ!」
「い、いやそうじゃなくて……」
「だ、大丈夫です。別にジロジロと見たり……へ、変なところは触ったりは……多分、しませんし痛くもしませんから……っ!姉様はただ私に身を委ねてくれさえすればそれで―――」
「ストーップッ!ストップだよコマ!ストップ!」
「……はい?」
何だか話がおかしな方向に進んでいる気がする。そもそも何故お風呂に私たちは来ているんだろうか?
迫るコマにストップをかけて一旦落ち着かせて、ここは状況説明をやってもらう他あるまい。
「ごめんコマ。その、おバカで理解力が足りない私が悪いんだろうけど……コマはさ、私の筋肉痛の看病をしてくれるんだよね?」
「え、ええ。勿論そうですよ。それがどうかしましたか?」
「いや……看病とお風呂に入る事の関連性が……お姉ちゃんよくわかんないんだけど」
そのように聞いてみるとコマは『ああ、なるほど』といった表情をして答えてくれる。
「姉さまご存知ですか?筋肉痛というものはですね、一般的には傷ついた筋繊維を治そうとする働きが痛みとなって身体に出てくるものと言われているんです」
「あー、確かにそんな話、テレビでやっていた気がするね。それでそれで?」
「つまり傷んだ筋繊維を回復促進していけば痛みを軽減できるという事です。筋繊維の回復には酵素や栄養を筋繊維に送っていく必要があるのですが……」
「ですが?」
「その栄養等を送るのは血液です。ですから血行を良くすればより早く栄養を筋繊維へ送ることができ、筋繊維を回復することができるのです。また血行が良くなれば痛みの元である発痛物質を取り除くことができるとも言われています」
おお流石。コマったら物知りだ。……ん?でもそれとお風呂の関連性はなんだろう?
「そういった意味ではお風呂に入るのは非常に効果がある筋肉痛のケアと言われています。身体全体を温めることで血流量は上がりますし、それに加えてマッサージを併用すれば更に痛みを抑えることができるのです」
「ええっと……つまり?」
「ですから、姉さまの看病を任された以上―――是非とも私に…姉さまをお風呂でマッサージさせてくださいっ!」
「…………」
……ああ、なるほどね。これでやっとコマの意図がわかった。看病ってそういうことするんだ。なるほどなるほど。
コマが、私を、お風呂で、マッサージしてくれる、ね。ふむ……それってつまりは―――
「(ダバダバダバダバ)…………桃源郷、か」
「ねっ、姉さま!?は、鼻血!鼻血がいつもの3倍くらい流れ出てますよ……!?どうなさいました!?」
「……ごめん。のぼせた……」
「まだお風呂に入っていませんのに!?」
……ヤバい。どうしよう。愛する妹に看病して貰えるうえに……一緒にお風呂で……さらにはマッサージだとぉ…!?いいのか?大丈夫なのか……?そんなことをして……私、警察に捕まったりはしないだろうか……!?
だ、だってお風呂に入るという事は、当然私もコマも一糸まとわぬ…………はだ、裸……ということでしょう……!?その上マッサージとかされた日には……下手をすれば妹視姦罪とか妹お触り罪とか妹セクハラ罪が適応されて、私ポリスメンに逮捕されるんじゃないだろうか……!?←錯乱中
「あー、コホン。……そ、そう言うわけですので。さあ姉さま、お湯が冷めないうちに入りましょう。そ、それと……さっきも言いましたけど、私が全部脱がせてあげますから」
「へっ!?あ、いやちょっ……ぬ、脱がすぅ!?ままま、待って!?ちょっと待ってぇ!?」
一応この状況は理解できたけれども別の意味で更に混乱している私を置いて、コマは再び脱がしにかかる。
こ、コマになら脱がされても嬉しいんだけれども!きょ、今日の下着は子どもっぽくてあんまり可愛くないやつだし、おまけに上下は揃っていないし……ど、どうせコマに脱がしてもらえるなら私にだって綺麗で新品のやつを脱がしてもらいたい乙女(?)心があるというのに……!
そ、それに心の準備なんてまだ全然出来ていないんだよ!?ま、マジでちょっと待って欲しいんだけど!?
「ふ、服を着てお風呂には入れませんよ姉さま!さ、さあ……大人しく脱がされてください……!」
「だ、ダメ!ダメだって……!?じ、自分で脱げるから!これくらい自分で脱げ……いだだだだ!?」
「ああ、ダメですよ姉さま。無理に動かすと肉離れもしちゃいますよ。で、ですから……どうか私に身も心も全てを委ねてくださいまし―――」
「だ……ダメぇええええええええ!!?」
に、逃げようにも筋肉痛で身体がまともに動かせない……っ!?そうこうしているうちに妙にやる気満々なコマに私が今着ている服に再び手をかけられる。断末魔が脱衣所に響く中、抵抗虚しくコマに着ているもの全てをひん剝かれてしまう私。
初めはパジャマの上衣を、次にその下衣を。髪留めを取り、靴下を脱がせたら……最後は―――
「…………ね、姉さま?ひょっとして……また一段とここ大きくなってませんか……?」
「み……みないで……見ないで、お願い……」
「……すごい……」
―――最後は…………ぶ、ブラとショーツを情け容赦なくコマに脱がされる。脱がしたブラを見て何やら驚愕しているコマと、剥かれてさめざめ泣く私。うぅ……はずかしい……
こ、こんなことになるのなら、勝負下着でも着けておきたかったのにィ……!
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