Hello, Myself! ~狂人道は阿修羅道~

TamoreS

まず、

第1話 素っ頓狂な前書きとプロローグ

 『狂人』とは……様々な捉え方があります。近年では侮辱の意を込めて使う言葉だけ

ではなく、この上ない賛美の意を込めてこの言葉を用いるようになった事実は、例えばウザい・キモい・死ねと等いう下品な言葉が若者の間での挨拶言葉にまで良くも悪くもなってしまった現実と似ていて、そうして変化してゆく日本語の面白さだと思います。

 時にその面白さが仇となるのも事実です。何かしらフィクションの人物に感情移入し創作の世界に没入する方、使われる言葉の表現の節々に著作者の人生行路等を見入って自分自身に取り入れる方、書き手としたらば言葉遊びや独特な言葉の一連に魅了されてより面白くと参考する方などなどの読者が居る一方、文章の送り手の意思というものは受け手の時々の年齢、感情、知識、想像力……様々な状況によって変化して伝わるものです。ただ、今挙げた例は当作品を手にとって絶対おもしろい! という確信を持って頂ければの話で、その確信に到達すべきは筆者の知名度が主になってくる筈です。

 当作品は筆者である松田道人まつだみちひとという本名に知名度はたとえ友人にしても無いに等しいものが書いた処女作であり、右も左も解らぬ期待の無名新人ですから前書きを書かせて貰っています。……と、こうやって脱線もし易く遊べて面白い日本語は純粋な日本人であっても総てを理解するのは極めて難しいという所で話は繋がります。それに加えて、日本人には右倣え文化なるものが大昔から在り今も根強く残っていて、知らない単語の意味を知ろうとする方はロマンチストではないかと筆者は好みますが今の世の中、本当世知辛いんです。豊かな語彙を公にすれば、若い方ならウザッ! キモッ! ダサッ!

 こんな風に一蹴にして理解したくないと言葉のナイフや笑いの壁を作るだけならまだ可愛いものなんですよ。日本語が堪能な方は日本語の醍醐味を、面白味から出るほんの一寸の隙をつきたがり、その隙間を広げ大袈裟にするという傾向が文字での交流の場で特に見受けられ、ガッカリすると共に今まで日本はそんなにギリギリな社会だったかなとか何もそんな小さな事をわざわざ……など文字から溢れる何らかの焦燥を感じます。

 母国語を満喫する方、日本語を嗜好品のように趣味とする方、単純に度量の広い方が少なくなっていると感じてしまうのは人間らしさが公に残ってしまう急な文化の進化の残酷な構造に人間が追い付いて行けていないのが原因だと諸説紛紛の中、筆者は考えておりますがそれは文字での話であって、口から出る残忍な言葉はもっと酷いもんです。少しでも違った/変わった発言をするだけで同調圧力の塊が、極端にいって人に非ず!とか目の色かえていう様な淘汰しよう運動が当然な世の中なんですから酷いもんです。


 例えばの話ですが、異星人がこの地球の中で人間との交流を望むのならば土台無理な話でしょう。何故なら異星人が何故? と思う所があり過ぎるからです。広大な宇宙は様々な生命体が居るワケで、地球にも様々な人や文化がありますが、地球内でも何故?と思う所があり過ぎるから、自国の文化や宗教を押し付けたり、受け入れられなければケンカみたいな戦争をして、それで受け入れられた事はありません。子供たちを殺してまで押し付ける意味はどこにあるのでしょうか? 地球内で地球人は同じ過ちを何度も繰り返してばかり……馬鹿な自分でもまだまだ地球内の何故? は幾らでも出てきますもんですから、異星人は次いで更に謎が多すぎて、謎は一歩あるく毎に出てきますし、人間との共存の前に地球移住計画は不可能でしょう。

 だからエイリアン映画のエイリアンは人間を攻撃するのだと思うのです。人間が余り恐ろしくて、地球外生命体は生きる為に攻撃をするしか自分を守る手段が無いのです。清い人と心が通じるワケも当然になく味方なんて居ません。人間同士でも同じですね。異星人に対して人間は何の躊躇もなく武器で攻撃するという事は、害虫を殺虫剤で殺す当り前な殺虫と同じで、地球は人間が支配しているから当り前なのです。もし、害虫と会話が出来たのなら気持ち悪いからといって悪いヤツばかりじゃあないと思うのです。

 出会い頭に銃を向けられるという支配者からすれば当り前の行為から生まれる悲しみそして寂しさの打ち拉ぎがあって、葛藤の末の攻撃だとは考えられないでしょうか?

 その中で取り残され、巧く生きて異星人と人間の子が狂人であると考えて頂きたい。人間は狂人を隔離し薬で人間化させ無責任に、これが普通なのだと摺り込ませる残酷で押し付けがましい生き物であると。筆者もその中のひとりであって、経験談なんです。

 その上、筆者はそれを受け入れてしまった馬鹿者であり、普通の人間は普通ではないと考え、遂に開き直って出来た道を歩くより、獣道を自分の足で作った方が人間らしいといった自分の思考を自分で信じ続けました。そこに怒りはありません、こんな考えをする馬鹿野郎も居るんだぞという一種の遺書が当小説で、多少のフィクションを交えた小説にし、読者様の何故のひとつを解消する事が出来るのなら筆者に生きていた意味が見出され、果たしてお互いのアレコレが正しかったのか、正しくなかったのかがほんの少しでも解る様になるのなら感慨無量、力も無いのに道を外して挫けながら歩き続け、踏み固めて来た大馬鹿野郎松田道人の道の本望です。


プロローグ


 どうしてこの娘はこんな顔をするの……?

 どうしてぼくをこんなに怒るの……?

 ぼくはずっと約束を守って、成し遂げて、頑張ったのに、褒めても貰えないの?

 暗いよ、狭いよ、恐いよ……もう、どこにも逃げられないよ……。こんなに頑張ったのに。ぼくは期待していたんだ、頭を撫でて貰えるって。でも現実は残酷だ……。

 ぼくは褒められたくて今までやってきた、褒め殺されたいほど褒められたかった、褒められたくて生きてきた、褒められたくて言動や行動してきた。だって褒められたことが無いから、見返りを期待して今までやってきた。でも、そういうことなんだ。

 人間とは褒められたルールで働き、上に行き、変わった事をし、それでも褒められない、そういうものなんだね……。そういうものなんだね……。

 ぼくが褒めたいけれど褒められた事がないから、頭を撫でたいけれど撫でられた事がないから、抱きしめられたいけれど抱きしめられた事がないから、解らないんだ。

 もう疲れた。くたくたに疲れて、それでも怒られるくらいなら、いっその事……。



――――目次――――


私                         Γ


俺                         Β


僕                         Α


おわり はじめ                   Δ


在るべき場所へ、為すべき事を、新世界で、真世界へ  ?

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