「喜び」

@hougen

第1話 きっかけは、なんとなく

例えば、他人のなかに

それも、仕事のなかで

不意に嬉しかったことを考える


なんとなく、誰かと距離を置きたいときに

誰かが自分の名前を呼びとめて

「ありがとう」

と、言ってくれたとき


素直な文章には、何もないと思っていた。




かつては


先を読んで、相手の反応を予測して、正解探しのゲーム


溢れていたのは、想いよりも

ただ、言葉だった


間違いのない気持ちを捜していた。




出逢いによって、自分が扱う中身が代わる


「元気かい?」

と、ただ一言を言いたいだけ

それだけで


頭のなかで、迷っていたのか

気になっていたのは間違いなかった

ただの一押しだけだったのか

横になって、TVを観て、とりとめのない思い出を探っていたら

思い出が一押し、背中を押した


「言ってみよう」


ただ、それだけだった


後先考えなかったのか


たぶん、大丈夫だと思えたから


今なんだと



朝になって、顔を合わせて、声をかけた



ーそうやって、考え抜かれたかのような日々や


        不意の結論による行動や

 

            声に出してみる幸せがあるー



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