親友への手紙

ミーシャ

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 小学校以来の友人と、文通を続けてはや二十年以上になる。今日、六年ぶりに電話で話したのに、まるで何も変わらなくて、ただ楽しくて、笑うべきじゃないような話題で笑ってしまうくらい、嬉しくて。


 彼女のどこが好きで、どうしてこんなに長く付き合いが続いているのか、僕にはまるで、分からないのだけど、彼女が僕に飽きず、好いてくれているその一点だろうと、いつも思っている。


 「私は馬鹿だから」と口癖のように言う彼女のことを、僕は、一度もそんな風に思ったことがないから、それが彼女の自己評価の低さだと、真剣に受け止め切れていない気もする。『あなたは素晴らしいから』と、真顔で言ってみたいのだけど、そういう空気にはならないから、今日も、心の中に留めておいた。


 僕をすごいと褒める彼女は、すべてにおいて、僕より頑張っているから、僕は謙遜するより前に、そう言うあなたの寛大さに、心が満たされる気がする。


 誰かに認められたくて努力をするほど、僕は人を信じてこなかったし、またその中で地位を得たいと思うほど、甘い感性の持ち主じゃない。そんな冷たい僕の部分を、彼女は知っているのか、いないのか。


 でも、そんなことを気にして、自分を説明しなくてはとは、思ったことはない。なぜなら、僕は彼女にがっかりされるのが嫌で、もう少しだけ低く、自分を評価してくれるための歩み寄りを、どこか避けている。


 特別隠しておきたいわけでもない、手紙の中では、あれこれと虚ろな自分を吐露しもした。もらった手紙は残っていても、送った手紙の控えなど、手元に残っていない。何を書いたのか、今知れば、なんでこんなこと、というようなことも書いただろうし、今ではもう書けないような美文麗文も、したためたかもしれない。


 若かったから、幼かったから、迷っていたから。

 あなたが、僕の友人だったから。




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