もしも現実世界が魔法で溢れたら・超現実解釈版

アーモンド

第1話 旅立ち

世界は 魔王の所業で 闇に染まった!


はじまりのまち(田舎) で産まれた少年よ。


魔王を倒し 世界に光を取り戻すのじゃ!




――――校長先生のよく分からない朝礼を聞かされ、突然旅立ちを迎える僕。

……そもそもこの街は『はじまり』なんて名前ではないし、旅の資金が100円は少ない。

ろくに食べれもしないだろう、こんな額。


玄関から追い出され、外に出るとモンスターとか猛獣使いがうじゃうじゃしていた。

急展開過ぎて目が回りそうだった。


戦いのいろはを『い』も知らない僕は、敵前逃亡を図る。

が、選んだ道が悪かった。


『勇者よ、戦うのじゃ!』


うぜぇ。

校長のダミダミボイスは聞き飽きているので、仕方なく頑張る事にした。


半透明のゼリーみたいな何かが僕の行く手を阻んだ。

ゼリーの中には内臓と思しき物体がうようよとしていて、実に気色悪い。


『ヽ`ヽヮΚΗΦλ◇▲▼△@〉!?』


謎言語で話して来るので頭に来た。

分かる言葉で喋れ。


そんな思いを、いつの間にやら手に持っていた剣に乗せてぶつける。

僕のような小学生に凶器を持たせて、親の教育はどうなっているんだろう。


だがとにかく、ゼリーのような何かを倒す事が出来た。

すると頭上から、金色のチップが降ってきた。

危なっ。

『それはモンスターを倒すと手に入る通貨、【YEN】じゃ。

沢山貯めると良いことがあるぞ!』


まったく、校長はどこからアナウンスしているのやら。

僕は魔王を探す為、とりあえず貯金を貯める事にしたのだった。

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