水の人
真生麻稀哉(シンノウマキヤ)
第1話
先日、体調が悪い中、知り合いに誘われ、山城に登った。
中に一人、顔に見覚えがあるのだが、名を聞いても誰だか、わからない人がいた。
気になったが、元々私の目当ては山に程近い神社の宝物殿で公開される刀だ。
ところが、そのうちの数振りかが持つ魂魄気(こんぱくき)に打たれ、私は酔った。
酔うといっても極楽浄土の心地ではない、胸悪しく肌青ざめの方…。
(人を斬った刀ね、あなた。それも刀でいることに飽きるくらいに・・・)
特段に、鈍い冷気を放つ一振りに、吐き気をこらえて問いかける。
反り高く踏ん張りのある刀身が、ふふんと自慢げに光る。
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