黒い空

雨のメトロノーム

第1話 最後の雨

「ねぇ!結衣ちゃん、知ってる~? 金色の雨が降ると次の日には、この世界は終わるんだって!」

ある公園で、私の友達、秋根瑠璃(あきね・るり)ちゃんが無邪気にそう言った。

「嘘だぁ~。」

私、宮本結衣(みやもと・ゆい)は、そう笑う。

「ほんとだもん!」

瑠璃ちゃんがそう怒る。

何で怒るのかな。

「じゃあ、証拠は?」

ホントは同感すれば済んだ話かもしれないのに、私は少し意地を張った。

「…証拠? 何言ってるの結衣ちゃん。現に今、金色の雨が降ってるじゃない!」

また瑠璃が無邪気そうに笑った。

「そうだったね!」

私も笑う。

金色に染まった公園は、本当に綺麗だと思った。

2人の頬からは、金色のしずくと、透明なしずくが伝っていった。



…翌日、世界は滅びた。

その理由は、金の雨が降ると世界が滅びる。という噂を信じていた、ある国々の偉い人たちが、「こんな現象で地球を終わらせられる前に、自分の手で地球を終わらせてしまおう。」そう考え最強兵器を使い、地球を殺めてしまったためである。

結果、地球は粉々になって砕け散り、宇宙のゴミと化した。

実際、金色の雨は地球にも人体にも無害だったにもかかわらず。

「哀れな地球人…。」

どこかの星の何かがそうつぶやいた。





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