ある苦悩
前章で『無反応:公表しない』という正しい対応を導き出したこの『創作物うんこ論』ですが、先に進む前に一つ補足しておきたいと思います。
前章で
まだこの世にデジタルカメラが存在しなかった頃のことです。私はある漫画を読みました。恋人と喫茶店にいる主人公がトイレに立ち、戻ってくると様子がおかしい。問い詰めると彼はこう告白するのです。
「美しいうんこをしてしまった」
主人公は
臭いの全くない、ほとんどモノトーンに近いブロンズ色のオブジェ。その表面は滑らかで、凹凸もクラックも一切なく、角丸の多角錐の先端はスッと綺麗に尖り、丸みを帯びた末端部分と見事なコントラストをなしていました。
「私は美しいうんこをしてしまった」
それは現実となったのです。
私はアートを
思うに私には狂気が足りなかった。アートを生み出す資格がなかったのです。デジタルカメラがあれば。ビデオカメラがもっと普及していれば。私はあの
まだお読み頂いている方には、このコラムでの『うんこ』という語は『入力とコンディションが万全の時にアートを生み出す可能性を持った生理現象による出力』という意味で用いている、ということをご理解頂きたいと思います。
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