Lucky Lips あとがき

『Campus91』も今回で最終章。

長い間おつきあい頂き、ありがとうございました。

最後にもう1話残っていますが、それはエピローグ的なものなので、実質的なお話しはこれで最後になります。


『Lucky Lips』は、1980年代のアイドル、早見優が歌った曲のタイトル。

最後のリップスティックで『好き』と書くシーンは、この曲からインスパイアされました。(単にパクリとも言いますが)

いつかみっこが言っていたように、『人と人は最後は別れて終わる』ものなのでしょうか?

それとも、やはりみっこの言葉のように、『恋愛(友情)に最終ページはない』ものでしょうか?

それは、各人の気の持ちようだと思います。

どんなに悲しいさよならでも、いつかはまた巡り会えて、再びその人を愛せると思うのか、心がちぎれるほどの悲しいさよならだからこそ、もう二度とそんな想いは繰り返したくないのか、、、


どちらも真理ではないでしょうか?


そして、今回のお話しで出てきた『男女間の友情』。

さつきちゃんは否定的だったけど、どうやらみっこは肯定派のようです。

男女間の友情って、成り立つものなんでしょうか?


個人的に言えば、それは『yes』。

男と女の間にある感情は、けっして『恋愛』だけじゃない。

お互いをひとりの『人間』と認めあうことがあれば、『友情』だってありえるんじゃないでしょうか?

若い頃は得てして、異性を恋愛対象として捉えがちだけど、歳を重ねて、男女の機微をわかっていくに連れて、『恋愛』と『友情』を区別できるようになってくるのではと、思います。


男女間の友情って、同性にはない魅力があります。

会う度に感じる、微妙なドキドキ感。

同性では得られない、認識の違いから来る新鮮さと、視野の広がる感じ。

そうやって、友情でとどめておきながらつきあっていくのは、きわどい綱渡りではあるけど、同性では得られない楽しさでもあります。


異性という、狭い視野で見ずに、相手の長所や、自分と同じ価値観を、恋とは切り離して捉えることができれば、男女間の友情も成り立つんじゃないでしょうか?

それは恋人を作るより難しいことかもしれないけど、だからこそ、異性の友人って希少な存在なのかもしれないです。


最後に。

ショパンの『別れの曲』は、この物語のラストシーンを書いている時、心の中にリフレインしてきたので、即興的に入れてしまいました。

切なく哀しく美しい曲です。

ぜひ一度、聴いてみて下さい。

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