異界道

ツヨシ

第1話

細い山道で道に迷った。


「おい、大丈夫か。帰れるのか?」


先ほどから助手席でぼやく友人を無視して車を進めていると、前方に小さな小屋が見えた。


小屋の前に木製の古く小さなテーブルと椅子があり、そこに若い男と女が腰掛けていた。


俺はその二人の前に車を停めた。


「すみません。道に迷ったんですけど、国道に出るにはどう行けばいいですか?」


男と女がこちらを見た。


二人とも恐ろしいほどの無表情だったが、男のほうが何も言わずに前方を指差した。


「ありがとうございます」


なんだか長居をするのは良くないような気がしたので、素早く車を走らせた。



どれくらい走っただろうか。


やがて小屋が見えてきた。


――?


先ほどと同じ小屋だ。


同じ二人もいる。


――ありえない!

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