異世界に飽きすぎて異世界を作り替えてみた

@donapiyojp222

第一話 ああ素晴らしき異世界①

ある高校の昼休み、教室の中は購買やトイレへ行く生徒達でごった返していた。その中では椅子の上にキチンと座り淡々とラノベのページをめくる姿はむしろ目立って見えた。見たことはないだろうか。顔が悪い訳でもない、素行も悪い訳ではない。・・・・だが人と価値観が違うため一人になってしまう人間がいる。まさに、彼がそうであった。彼の名は亜門 蓮。少し気だるそうな彼の黒い髪はボサボサとしていた。

「っん!」

ラノベを机に勢いよく叩き付け、ボサボサの髪をかきむしりながら亜門は机に突っ伏した。その時に出た亜門の咆哮は周りの会話に書き消されたが何人かの生徒は亜門の突然の行動に対し少し身を引きながら悲しそうな目で見ていた。

学校が終わり部活動にも入部していない亜門は突っ伏した時にぶつけた額をさすりながら 帰り道を歩いていた。

「くっそ、早く異世界へ飛びたい・・・・」

哀愁漂う姿からは想像の出来ないセリフが飛び出る。あくまでも本人は大真面目である。

「まぁ、車にでもはねられたら直ぐにでも行けるか」

明らかに自殺志願者の発言だが何度も言うよう彼は至って大真面目である。

「何でそんなに異世界に行きたいんだい?」

「ええっ!」

誰もいなかったはずの亜門の前に突然ツインテールの幼女がテレポートを行ったかのように現れる。あまりに突然だったので亜門は何も落ちてないコンクリートの道で転んでしまっていた。

「誰だあんた!」

唇を震わせながらも亜門は少し怒鳴るように相手に尋ねる。ツインテールの幼女はふふんと笑いながら花柄のワンピースをフワリと翻しビシッとヒーローの様なポーズを決めて威張る。

「僕は、神様さっ!」

亜門は次に言う言葉が出ず自称神様のポーズを見ながら固まっていた。






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