御庭番ワース見聞覚書

ナツキリョウタロウ

序章

第1話 星辰を越える者たち

 星辰が育んだ生命は、滅のときを渡ろうと試み、生と死を繰り返す。


 一瞬とも、膨大とも表せるほどの時が流れた。


 先も後も分からぬ闇の中に、微かに煌めく、しかしながら、大きな意味を持つ光が灯る。瞬きのような瞬間に存在した、その生命体は、連続した自我を持った「最低限の星辰間生命体の条件を満たした存在」であった。


 彼らは、宇宙の終焉が始まる時を見計らい、自身の情報を光の波動に変え、既存宇宙外へ放ち続けた。自身の再構築をいつか誕生する者達へ託し、「生命の歌」を紡ぎつづけ、消えていった。

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