めぐるものがたり

相樂 千那 

縁ノ章

プロローグ

「結婚」とはなんだろう。




彼女―――藤堂真理亜は幼い頃より疑問に思っていた。

周りの友だちはみんな焦がれるように「しょうらいはかわいいおよめさんになりたい」と口を揃えて言うが、真理亜はその夢にピンときたことがない。



やがて、彼女は成長するにつれて、もう結婚している大人たちの意見を求めるようになる。

両親は「運命」といい、上の兄は「信頼」だという。ばあやは「墓場」といい、じいやは「忍耐」という。(ちなみに、このふたりは夫婦である)



幼い頃より「結婚」に憧れを持たず、

色んな意見を聞いてみてもさっぱり参考にならなかった彼女が、齢十九でいささか早めの結婚をすることになったことから、この物語は始まる。

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