第371話 ロックの屋敷に

 残されたボクは腑抜けのようになった。

 完全に茫然自失だ。


 それから、数10分間の記憶が定かでない。


 アリスに抱きかかえられ車に乗せられて、気が付いたらロックの屋敷にいた。

 いつソファに座ったのかも覚えていない。左側に母親がいた。右にはアリスが座っていた。


「ほら、水だ……」

 ロックに勧められ、グラスの水を一気に飲んだ。

「ゴホゴホッ」

 せ返ってしまった。


「大丈夫か?」

 アリスが心配げに背中をさすってくれた。

 母親もナプキンでこぼれた水を拭ってくれた。

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