第344話 ブレスレットの力

 残った一人の影がボクに突進してきた。

 咄嗟にボクも臨戦態勢を取った。


「くゥ…」

 だが、腕力には全く自信がない。


 ここは、ブレスレットの力を信じるのみだ。

 影が、ボクの顔面めがけて右ストレートを放ってきた。


 ナゼか、ボクの目にはスローモーションのように映った。


 右ストレートをスッと左に流し、逆に右のカウンターを顔面に喰らわせた。

 グッシャっという鈍い衝撃がボクの拳に伝わった。


「ぶっぎゃ~~~」

 思った以上に影が吹っ飛んでいった。

 もちろん、これもブレスレットの力なのだろう。

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