　その声に反応し、やっとボクの方を見た。

　まるで、無表情だった。

「お母さん……　ボクだよ❗❗　解かる。ショーだよ」

「ショー……？」母親は繰り返した。

「そう、ショーだよ。お母さん」

　ボクは、母親の目の前に膝をついた。

「ボクだよ！　お母さん。解かる。ショーだよ……」

　痩せた肩に手を添えた。

　キツく抱きしめれば折れてしまいそうだ。これが、あの母親なのか。信じられない……

　あんなに口うるさかった母親が、これほど老化するとは思いもしなかった。

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