俺はぼっちがいいのになぜ人が集まってくる!?

天龍寺凰牙

第1話 クラス発表と事故

遥か昔、人間と魔族は戦争状態にあった。しかし、魔族側の長、魔王ゲイルと勇者側の長、富士、高野、日吉(ひえ)の三長老が同盟を結び、戦争は終結。人間界に魔族が移住してくることとなり、アリアラント同盟国が誕生した。どの種族の者でも入ることのできる鳳凰学園が創立された。去年で創立99年を迎えていた。毎年優等生ばかりだった学園についに問題児が入学した。その名も真田翔(さなだしょう)。この男も今日から二年生になった。その初日、問題児と呼ばれる所以の一つが起こっていた。





コケコッコー、という音が寝室中に鳴り響いている。5回ほどなったあと、音を止める。そしてそのまま、また寝てしまった。それから1時間後に起き、目覚まし時計を見る。時間を見ると午前8時30分になっていた。その瞬間ベッドから飛び降りて


「うおー、遅刻じゃねーか!」


大声で叫んだ。青年が通っている学校は朝の挨拶が8時30分だ。思いっきり寝坊したのだ。

急いで制服に着替えてパンを焼く。焼けたパンを口にくわえて家を出た。



・・・俺の名前は、真田翔(さなだしょう)。16歳で人魔学園異能科の2年だ。戦闘ランクはCCCランクで能力レベルはレベル4のエキスパーターだ。


ここで、戦闘ランクと能力レベルについての説明だ。


戦闘ランクとは、純粋な身体能力と、能力レベルを総合的に見たものだ。FランクからSSSランクに分かれていて、人間以外にもこの数値が適用されることが決まっている。ついでに、教師はBBB、国内警察庁ではA

ランク以上でないとなれない。


そして能力レベルとは、武器や異能力の修練具合のことだ。レベルは1から10まであり、さらに一つのレベルの中でもルーキー、エキスパーター、マスターが存在し細かく分けられている。


説明している間に学校に到着した。


この高校は国立鳳凰学園。国が運営している、小、中、高、大の一貫校だ。種族、家系、能力の有無関係なく入れる、国で一つしかない大きな学校だ。この国にいる全ての学生が、ここに入学する。学科は一般科、異能科、異能医療科がある。生徒会は各学科にある。敷地面積はなんと、東京都の3ぶんの1大きさを誇る。


そして真田翔の学科、異能科は門から一番離れた位置にあり、歩いて1時間はかかるため次元境界を通って異能科のキャンパスへ向かうこととなる。

翔は次元境界を通る。そして中に入って約5秒。眩い光が発生し目を閉じる。光が弱まり目を開けると異能科のキャンパスが目の前にあった。


下駄箱へ向かうと翔と同じ遅刻してきた人が一人いた。よく見ると、自分と同じ色の袖に青色のラインの入った制服を着ていた。制服の袖の色が同じということは同じ学年の人だ。


そしてその人は気配に気づき前を見たまま話始める。


「翔も遅刻かい?」


翔もってなんだ。自分だって遅刻してるくせに。そう思った。


「なんだよジェラール。お前だって遅刻してるくせに」


この白髪で真ん中の髪が垂れているこいつの名前はジェラール・バトラー。俺と同じ異能科の2年で数少ない友人だ。年齢は17歳。こいつは実技だけでなく筆記でも学年1位の天才だ。戦闘ランクはBBの能力レベルはレベル6のマスターだ。


「まあ、そうだね。とはいっても僕のほうが早く来たから僕の勝ちだね」


ジェラールは魔族とエルフのハーフで耳が長くエルフの血が少し濃い。


下駄箱に今回のクラス分けが貼り出されているらしく、それを見ていたらしかった。


さっきのジェラールの言葉は完全に無視。クラス分けについて聞く。


「お前ってクラスどこだった」


と聞きながら自分のクラスを探す。


あった。


「僕は1組だよ」


さつき俺が質問したことについて答えてくれたが、翔は聞いていなかった。


「ねえ、聞いてる?僕は1組だよ」


ジェラールが1組だということを聞き


「は、お前何組だって?」


ジェラールの言ってることが信じられず再び聞き返す。


「だから1組だって」


聞こえていないと思ったのか大きな声で言った。


「嘘だろ。俺も1組だぞ」


「な、なんだって」


二人とも大きく息を吸って吐き出す。


「なんだとー!」

「なんだってー!」


二人揃って叫んだ。



廊下。


「そうかー、俺と同じクラスかよろしくな」


ジェラールと歩いて教室へ向かう。


教室の扉を開け、中に入ろうとすると


「きゃあー危ない!どいて!」


教室から女の子が飛び出してきて翔にぶつかって女の子が飛ばされる。このままだとお尻から落ちてパンツが自分達の前でオープンされると思った翔はすぐに背中に腕を回し、お姫様だっこで床に尻から落ちるのを守った。

お姫様だっこのまま、


「大丈夫?けがはない?」

心配する。


目があった。合ってしまった。


「ビンゴ。私の白馬の王子さま。私と結婚してください」


そう呟く。


その瞬間、翔は手を放した。


女の子は床にお尻から落ちた。ドン、と音を立てて。


「痛、何すんのー!」


キレた。


「せっかく、助けてもらってこの人カッコいいなって思ったのに!最低!」


そう一言いうと教室から飛び出していった。




女の子目線。


・・・ヤバい、おしっこいきたい。


早く行かないと漏れちゃう。心のなかで思いながら、走って教室から飛び出そうとした。その時ドン、と音を立ててとばされた。


・・・どうしよう。お尻打っちゃう。



と思っていると背中に腕を回され、お姫様だっこされる。


お尻を打たなかった私はだっこされたまま、助けてくれた男子生徒の顔をみると


か、カッコいい


そう思った。だから


「ビンゴ。私の白馬の王子さま、私と結婚してください」


言っちゃった。そして体が浮遊感を感じた。


・・・え。


気づいたら床に尻もちをついていた。

すぐに状況を理解する。さっき助けてくれた

青年が手を離したのだと。


「痛、なにすんのー!」


助けてもらった青年にキレてしまった。頭では謝らなくちゃと思っているが、それをプライドが許さない。だから、


「せっかく助けてもらって、この人カッコいいなと思ったのに!最低!」


・・・あ、ヤバい。ほんと漏れそう。


怒ってたらさらにトイレが近くなってしまいその場から怒って逃げ出したかのように教室から飛び出した。




主人公目線




飛び出していったのを見届けるとジェラールが翔に話しかける。


「さっきのは一体なんだったのだろう」


自分も確かにと思い考えてみる。だが、答えは見つからない。このまま考えてもわからないからときりかえて


「さあ、わからん」


と肩をすくめる。


教室の中へと入った瞬間


「遅れてきたと思ったら挨拶もなしか、そうかそうか」


担任教師の男性がこめかみに青筋を浮かべながら凄む。


その瞬間、冷や汗を浮かべながら壊れたおもちゃのようにガチガチに硬直しながら歩いて担任教師のところへと歩いていった。




続く








人物紹介



真田翔(さなだしょう)・・・主人公

年齢・・・16歳、


種族・・・人間


家系・・・真田家の次男


髪型、髪色・・・黒髪で、茶髪も入っている


戦闘ランクCCC


戦闘タイプ・・・魔力(マナ)タイプ、技(スキル)タイプ


武器・・・無し


家系魔法・・・生成魔法







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