紙袋の中の宝石
若狭屋 真夏(九代目)
私の名前はモコ
はじめまして。私の名前はモコ、とある場所に住んでいるシーズー犬の女の子よ。年は10才になるわ。なんでも人間の年でいうと60歳らしいの。おばあちゃんでも女の子よ。だって公園にお散歩にいけばみんなに「かわいい」って言われるもの。犬も人間も可愛いって言われれば女の子なのよ。
私を買ってる飼い主「にいちゃん」っていうんだけど44歳になる独身男なのよ。
彼女もいないのよ、信じられないわよ。
にいちゃんにはおとうさんとおかあさんがいるの。
私と4人でくらしてるのよ。
でもにいちゃんには弟がいてその奥さんと子供が二人いるの。たまにうちに遊びに来るわ。私は子供とかが大嫌いなの。
赤ちゃんならいいわよ、動かないしいい匂いするもの。でも動く子供は嫌い。
動き回るもの。あんなのモンスターよ。いつ襲われるかわからないわ。
弟の家には5匹も犬がいて前に買い始めたばかりの子犬を家に連れてきたの。
もうしっぽを振りまくって迫ってきて。私、かたまっちゃったわよ。
この家にはおばあちゃんの代から住んでるの。
私のおばあちゃんはムク、私は会ったことないけどうちに初めてやってきたシーズーよ。なんでもにいちゃんがボーナスがでてその時ペットショップで衝動買いしちゃったらしいのよ。それでおばあちゃんが子供を産んでお父さんが生まれたの。
お父さんはチー。凄く甘えん坊なのよ。雷がなると家の隅っこにブルブルふるえて私が探したらそばに寄ってぺろぺろしてくるの。「こ、怖くないか??だ、大丈夫か?」って言ってね。明らかに自分がビビってるのにね。
そして私が生まれたわ。ママのダイヤは綺麗なママだったわよ。毎月美容院に行ってたわ。そんなママが大好きだったわ。
でもママもパパも亡くなってわたしひとりになっちゃったけど私は平気よ。
元々一人っ子だし、あ、にいちゃんがいるからふたりっ子ね。
それにね、子供が出来たのよ、可愛い息子が。。
その息子を巡ってひと騒動おきるんだけどそれをこれから話すわ。
でもその前におやつを食べるからちょっと待っててね。
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