第20話 【紙の本】敢えて緩々で完全には閉じていない環

え〜と、『本好きの下剋上』の話です

好きなんですよ、『本好きの下剋上』

https://kakuyomu.jp/users/kuronekoya/news/1177354054884891615


完結したっていうからウェブの方もうっかり読みに行ったら、まだ書籍化されてない部分が思ってた以上に多くて、読了するまでだいぶ時間がかかってしまいました


どこがいいかって、一見ラノベ風の導入部と口語調で読みやすい語り口ながら、用語とか魔術とか、貴族と平民の違いとか、テンプレじゃないオリジナルな世界観なのです

でもって、問題をクリアするたびにステージが上がっていくわけですが(タイトルからして「下剋上」ですしね)ジャンプの漫画みたいに敵がインフレーションを起こすことなく繋がっていく展開!

書籍版では既に、平民のわりと下の方から領主の養女、しかも成績優秀、魔力もたっぷり! ってところまで成り上がってます

いや、主人公は偉くなりたいわけではなくて、「心置きなく本を読みたい」を原動力にそのための努力をした結果、色々面倒くさい肩書や義務がついてくるって感じなんですけど


地震で本棚が崩れて本に埋もれて死んでしまって、異世界に転生した本の虫

読書で得た知識と無理やり付き合わされたオカンアートを武器に成り上がる

全ては未だ読んでいない本を読むために



『指輪物語』や『精霊の守り人』が独自の設定・世界観を持った、かっちりと閉じた綺麗な環の中の世界だとしたら、『本好きの下剋上』は入り口の間口を広げるために敢えてゆるゆるで完全には閉じていない環、っていうたとえは判りにくいですか?


現代日本と異世界の常識に戸惑うっていう意味では『十二国記』と近いものがありますが、もっとライトな感じ

軽妙な会話と地の文、背負っている(背負わざるをえない)ものへのスタンスの軽さとかはありますが、個人的には『十二国記』と並ぶお気に入りです

マイ殿堂入りです!

神に感謝を!!

文庫になったらもっと売れると思うんだけどなぁ

っていうか、一気にブレイクするんじゃないかなぁ


ちなみに他の殿堂入りは『デルフィニア戦記』と『おこぼれ姫と円卓の騎士』

あと絶版になってる海外の作品ですが『パーンの竜騎士』



他にもこんな作品がないか、読まず嫌いはやめて、カクヨムでも異世界ファンタジーのスコップにもう少し時間を割いてみようと思います

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