第5話 クエスト受注

「ふあぁ〜」

翌朝、眩しい朝日とすずめのチュンチュンという鳴き声で起きた私。

「あ、お目覚めですか?」

するとハピネが横にいた。

「え、え⁉︎何でここにいるの⁉︎」

「失礼ですねー、私は時空を司る妖精なんだから、こっちの世界にも来れますよ」

そんなのアリなの?

妖精っていうから、すっかりゲームの世界にしか居ないのかと思ってたよ…。

「あー、その顔。私がゲームの世界にしか居ないと思ってる顔ですね」

「え⁉︎いや、そんな事ないよ⁉︎」

「私の能力くらい覚えてくださいよ…これから長い付き合いになるんですよ?」

ハピネが呆れた顔で私を見ている。

「あはは、ごめんごめん」

「あ、そうだ、今日はアナタにクエストを持って来たんです」

「クエスト?」

何それ。

「あー、簡単に言うとですね、そのクエストには試練が書いてあって、それをクリアすることで、ゲーム内で役立つアイテムが貰えます。例えば、経験値が貰える結晶とか」

「へぇ」

「で、どうしますか?受注します?」

そうだなぁ…。試練については詳しく分からないけど、ゲーム内で役立つアイテムが貰えるのは良いかも…。

「受注する!」

「かしこまりましたー!じゃ、クエスト内容ですが」

「うん」

「現実世界とゲームの世界それぞれでスライムを10体討伐…つまり、現実世界でゲームを遊んでスライムを10体討伐するのと、ゲームの世界に入ってスライムを10体討伐するという、ここと異世界を行き来するクエストですねー」

「え…」

スライムううう⁉︎

この間スライムにだいぶ苦戦したんですが…?

大丈夫なのかな、私。

「そういえばこないだハルさんがスライムと戦った時はあっさり負けてましたねー」

「う…」

「頑張って修行して下さい☆私は時空を操る以外の事は出来ないんです」

「えぇ…」

「そんなに落ち込まないで下さいよ。時空を操るのは結構すごい事なんですよ?」

それは分かるけども。

今はスライムを倒す力が欲しいんですうう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る