世界

世界

 西暦二五九八年。世界は一度、死んだ。

 度重なる異常気象と異常現象により、突如異形のモノども──ガルゼレスが地上に現れた。昆虫から巨大化を遂げたモノ、小型動物が凶暴化したモノ、もはや原型を留めることができず、悪臭を撒き散らしながら人に仇なす、かつて生き物だったモノたちは、地上のありとあらゆるものを見境なく喰らい尽くしていった。

 人類はなすすべもなく、人口はかつての三分のニまで減少。大地は蹂躙され、海は汚染され、家屋はち果て、森林は樹海と成り果て、ガルゼレスどもの巣窟そうくつと化した。

 世界中の誰もが諦めかけていた時、奇異な力を発現させた者たちがいた。ある者は炎を操り、ある者は雷鳴を轟かせ、またある者はれた湖を蘇らせた。

 超能力ともとれる人外な力を、畏怖の意味を込めて神の結晶"ノア"と名付け、それを操る者たちを、"ノアの操者そうしゃ"と呼んだ──

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