涙色
「ねえ、聴いてよ!」
高校からの帰り道、親友がすごく嬉しそうな顔で私を見た。
「どうかしたの?」
私が訊くと、彼女がはにかむ。
「あのね……」
「彼から昨日、電話があったんだ」
その言葉を聴いた瞬間、私の心に冷たいものが落ちた感覚がした。
「そう…なんだ。良かったね」
彼女の彼氏は私達とは同じ中学校出身で、推薦で県外の高校に進学した。
私とはよくふざけあっていたっけ。
それが何時からだろう。彼の一番近くにいる人間が、私から彼女になったのは……。
告白したのは彼女の方からだった。そして私は……それに協力した。
どうしてだろう。先に言われると、私も好きとは言えなかった。
「ラブラブだね」
そう言った私はちゃんと笑えていただろうか? 声は震えていなかっただろうか?
ねぇ知ってる?
私もキミのこと好きなんだよ。
どうしたら、この想いを消せるんだろう……。
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