悲しみ
身支度を整え部屋を出る。さっきメルが言ったことが気がかりになるが今はそれどころではない。
腹が、腹が減っては戦は出来ぬ!
教えられていた部屋へと行き、扉をノックする。
「入れ」
そう短調に言われ、恐る恐る入る。
「なんだ綾汰か。ノックなぞしずにそのまま入ってくればいいのに。」
入った先にはニコやかな魔王がいた。怒られるのではないかと心配していたが意外とそうでも無く、優しい笑みをこちらに向けていた。昨日の事もありどこか心が痛い。
「さぁ朝食だ。一応シェフには人間の食事を用意するようには伝えていた。口に合うかは分からんが食べてみてくれ。」
食卓の方にはそれは豪勢な食事が並んでいた。大きなチキンに大きなサラダ。そして大きなパンに大きなスープ。朝からこれは少し胃が痛い。
食事に手をつけずに見つめていると魔王が問いかけてくる。
「どうした、食べないのか?それとももしかしてこれは人間の食事では無かったのか?」
見た目とは裏腹にアタフタしてる姿はどこか少し可愛く見えた。僕はもう重症かもしれない。
「魔王様。」
「どうした?」
「大事なお話があります。」
僕がそう切り出すとどこか寂しげな顔になった。《ルビを入力…》
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