ドリームワールド 全人類の命を賭けたデスゲーム

土呂

第1話 異世界・ドリームワールド

桜の木の魔法。

桜の花びらを飲むことで、魔法使いとなり、ゲームマスターとなる。

そして大魔法は3種類あって

1つは夢を夢世界にする魔法

2つは過去に戻れる魔法

3つめは死んでしまった人を生き返らせる魔法


かつて、その魔法の力を求めて、人々は争いを起こしたと言われている。

そして、それは異世界のみでなく、現実世界の異次元に存在する世界。

異世界の人々や魔物、スライムやオーク、そしてドラゴンまでもが、桜の魔法を求めた。


「スペル!メイク ドリームゲート!」

魔法の壺。錬金術で使われる壺のことだ。アリスはふぅ…とため息をつく。


「お姉ちゃん、もう夜遅いよー、そろそろ寝ようよ…」

アリスを呼ぶのは、彼女の弟のケビンだ。


「だめ、あと少しだけ…。スペル!メイク ドリームゲート!」


その時だった。

壺の中が光り出し、辺りを包み込む。


「やったー!成功だわ!」


アリスはぴょんぴょんと飛び上がり、笑う。

だが、喜ぶのは、ほんのひとときだった。


壺の中の魔力が暴走し始め、次第に爆発的なエネルギーが暴走し始めた。


「お姉ちゃん、何が起きているの?」

「そんな、、こんなはずは…」


魔法の壺から大量のガスが発生し、それは異世界を丸ごと包む。


アリスは家の書庫にダッシュで向かう。


「ない…ない、この魔法を止める手段はないの?」

「お姉ちゃん、一体何が起きてるの?」


私はただ、異世界の人と自由に暮らせる世界を作りたかっただけなのに…

異世界と現実世界。桜の木の魔法には現実世界と夢世界をつなげる力がある。

その魔力を使って、異世界と現実世界をつなぎ、人々が自由に生きる世界を…。


「お姉ちゃん!外に来て!」

外へと向かうと、人がどんどんこの世界へと現れた。


そんな、、本来現実世界とこの街をつなぐ魔法だったはずなのに…

このままでは大変なことになる…。


「なんなんだここは!?」

「俺はなんの夢を見てるんだ?」

「私夢の中にいるの?なら空も飛べるのかしら?」


現実世界の人はここを夢の中だと誤認している。それはそうだ、寝て目が覚めてこんなところに飛ばされたら、頭も追いつかないだろう…。

私たちが暮らす世界はドリームワールドと呼ばれており、名前の由来は夢世界と同じ意味だが、実際は夢のようなことができる世界、と解釈するのが正しい。

この世界では、かつて現実世界に存在していた魔法の桜の木を魔術の力にして、この世界を魔法の世界に変えてしまった。

この世界で使える魔術は様々なものがあり、簡単な魔法は炎を発生させる魔法だった。炎なんてコンロを使えばすぐつけれるし、炎の魔法が使えなくても、日常生活で困ることはない。他にはかまいたちやしんくうはを発生する魔法や、吹雪を発生する魔法、イナズマを落とす魔法など、様々だ。

そして、この世界では生まれた時からジョブがランダムで決められる。

ジョブの例として 侍、弓使い、魔法使い、商人などなど。


「お姉ちゃん…」

「・・・」


(これは本当に私の魔法の力だけで起きたものなのかしら?)


本来、私が試みた魔法は、私たちが住む街に、小さなゲートを1つだけ作る。簡単な魔法ではないが、決してここまで膨大な魔法ではない。


「私、街のみんなに知らせてくる!」

「待って、お姉ちゃん。僕も行くよ」


アリスとケビンは手当たり次第、街の人に、現実世界の人がここに発生してることを伝える。


今は街には50人くらいしかいないが、これからはもっと、、、いや現実世界の人、すべての人がここに来ることになる。

この世界では、魔物と狂人の魔王軍の連中がいる。ドラクエで言えば、りゅうおう、破壊神シドー、ゾーマ、デスタムーア、オルゴデミーラなどがそれに該当する。

この世界の魔王の名はデルタノア。それが私たちの宿敵だ。

デルタノアはもともと私たち平民と変わりなかったが、桜の木の魔法で過去に戻る力を手に入れ、大賢者のトア様を殺し、彼女の魔力を吸収した。デルタノアは兵士から魔王へとクラスチェンジをして、たくさんの魔物を配下に置いた。そのため、街の外では魔物が発生するようになったのだ。


「お姉ちゃん、これからどうするの?」

「ギルドに行きましょう。そして現実世界の人に助けてもらうの」

「どうやって?」

「ギルドでは魔物狩りのチームを編成することができるわ。それで現実世界の人にも、魔王軍と戦う勢力をつけてもらうわけ」

「そっか!現実世界の人にも力があれば、魔物をやっつけてくれるわけだね」

「それだけじゃないわ、うまくいけば魔王を倒す勇者様が現れるかもしれない」


魔王に支配され、戦い専門の戦士やファイター、ハンターしか安心して外に出られない世界。私は願う。いつかこの世界にも平和な日々が来ますように。

ドリームワールドが現実世界で騒がれるのも時間の問題だ。



「ギルドの皆さん、聞いてください!」

「お、アリスちゃんか、どうしたんだ?」

「今、街では、いや、街の中だけでなく、外にも現実世界の人々がこの世界に大量に紛れ込むという事態が発生してます」



「なんだって?」

「アースの連中がか?」

「そういえばいたな…そんな奴ら」


だから現実世界の彼らを助けるためにも、ギルドの皆さんも力を貸してください。


「アースの連中か、面白そうだな」

「よし、俺たちも新メンバー募集するか!」

「新しい出会い、いい尻友ができそうだ」


これでギルドの人たちが協力してくれるわ。


アリスは街の外に出る。ケビンが街の中の現実世界の人を誘導してる間に、アリスは外に残された人を助けに向かう。


「ひぃ…助けてくれ」

「スペル・ファイアー!」


ジュワー!


アリスの手から出た炎の玉でスライムを撃破する。その際に経験値が2もらい、1マネーを手に入れる。この世界で魔物狩りをすれば、経験値とゴールドか…つまりお金が手に入る。たった1ゴールドでは生活の足しにはならないが、多くの一家ではそのマネーを夫が稼ぎ、母が家事洗濯を賄っていた。


「ありがとう、おじょうちゃん、助かったよ」


「どういたしまして、ここは危険だから、ここから北にある街へ向かって。そこへ行けば安全ですから」


「どうもありがとう」


他にも魔物に襲われている人がいるかもしれない…探さないと…」


アリスはシャカの森を駈ける。

ここは妖精、フェアリーの一族が領地にしてる森だ。フェアリー一族は基本的におとなしい特性があるが、怒らせると強力な魔法で総攻撃を仕掛けてくると言われている。


「すみません、ここで人間を見ませんでしたか?」

「ナンニンカ、ミタヨ。コッチコッチ」


フェアリーについていく。


「ひぃ…なんだこいつらは!助けてくれ!」


「今行くから待って」


こいつはオークだ…。槍の一撃で敵の心臓をひとつきで殺してしまう。

とても危険な敵だ。


「スペル・ファイアー!」


ジュワー!

オークは炎に飲まれ、そこから消える。

経験値20と24ゴールドか。


「ありがとう」

「あなたも街へ行って。ここに地図があるから」


アリスの地図を見る中年男。彼は地図を見て街の場所を見て把握する。


「じゃあな、おじょうちゃん」


・・・。


私は外にいる人を一通り助けた。

でも、このままではこれからも魔物に襲われ続ける人が増え続ける。

とても私の手に負えない…。


そうだ!私には魔術の力があるんだ。地図の書いてある看板をあちこちに立てればいいんだ!うん、そうしよう!

私は、あちこちに看板を立てた。現実世界の人がここに迷い込んでも、無事に街へとたどり着けるように…。

私は、絶対に救ってみせる、みんなを!!







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