マロの習性。
むむの友達のマロはとにかく早起きで。
何故早起きなのかというと、高校生の頃から夜21時には寝るという今時珍しい優良児で、それを社会人になってからも続けていたモンだから、朝の6時前には必ず目が覚めちゃう。
ある日友達4人で集まって、
宅飲みをしていた時の事…。
夜中1時頃になって、もうそろそろ寝るか~って話になり、みんなでこのままその子家でザコ寝をする事に。
みんなお酒が入っていた事もあって、いつの間にか眠ってしまっていたんですが、
…チュンチュンチュンチュン…
むむは突然聞こえはじめた
小鳥のさえずりのような声で
目が覚めました。
…チュンチュンチュンチュン…
しかもその声は外からではなく
室内のかなり至近距離から
聞こえて来ます。
…なんだ…?
むむはまだボ~っとしている頭のまま、うっすらと目を開けて、周囲を見渡してみました。
すると、なんとチュンチュンチュンチュン言っていたのは、小鳥なんかではなく、いつも通りに朝早くに目を覚ましてしまったマロだったのです。
手持ちの携帯の時間を見ると、
時刻はまだ朝6時前です。
どうやら夜中1時すぎに就寝したにも関わらず、いつも通りに早起きをしてしまったマロは、寂しさのあまりにみんなを起こそうと、必死に小鳥のモノマネをしていたようです。
…怖ッッ!!
この時のむむの正直な感想はソレでした。
…こんな朝早くから、
起こされてたまるかッッ!!
そう思ったむむが、
そっと目を閉じようとした瞬間…
「あ!」
マロが歓喜の声を漏らしました。
…そうです。
あろう事かむむはその時、
マロと一瞬目が合ってしまったのです。
…しまった!
見つかった…!!
むむがそう思ったのも束の間――――…
「むむちゃん!起きてたんだ!
おはよう!おはよう!
朝だよ!もう朝だよーッッ!!」
自分以外の覚醒者を見つけたマロは、
まさに水を得た魚のようです。
むむに向かって、
めちゃくちゃ話かけてきやがります。
ハイテンションに一方的にそう話かけてくるマロの事を必死に無視しようとしましたが、マロの追撃は止まりません。
しかもその声は、
二日酔いの頭にとにかく響く、響く。
「うるさァ――――――――いッッ!!」
そんなむむの絶叫で、
残りの二人も起こしてしまいました。
数日後―――――…
またもやそのこの子の家で宅飲みをする事になったので、むむ達はマロが到着する前に作戦会議をする事にしました。
『…だからさァ~…こないだは夜中1時だから早起きしたんじゃん…?…ヒソヒソ…』
『…そうだね…寝るのが早すぎたから、早く起きたんだろうね…ボソボソ…』
『…だからさ…夜めっちゃ遅くに寝ればさ…ヒソヒソ…』
『…うんうん…さすがのマロも遅く起きるんじゃない…?…ボソボソ…』
こうして綿密な作戦会議の結果、
今日の宅飲みの時は
マロを夜遅くに眠らせる事に
決まりました。
その日の飲みの最中…
「…もう眠たいよ~」
…とその場に横になろうとするマロをみんなで結託してはひたすらなだめ、何とか朝3時までみんなで起きている事が出来ました。
「…それじゃあ、寝よっか。」
スペシャルミッションをクリアしたむむ達は、満足そうにその場でザコ寝をはじめました。
…が…。
…チュンチュンチュンチュン…
どこからともなく、
例の声が聞こえて来ます…。
またもや例の声が聞こえた三人は、
思わず飛び起きて
一斉に自分の携帯を見ました。
現在時刻は、午前5時45分―――――…
あぁぁぁあぁぁぁあ!!
なんで早くなっとんじゃぁぁぁいッッ!!
我慢して、我慢して、
夜中まで我慢し続けて夜遅くに寝たのに、
結局朝6時前には起こされてしまった
むむ山むむすけ達でありましたとさ。
【今日の教訓】
『マロに、
就寝時間は関係ない。』
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