どうか助けてください。


それはまだセキセイインコのチュン三郎が

言葉を話せなかった時代の話。


相変わらずカゴに入るのを

嫌っていたチュン三郎は

むむが家にいる時だけは

いつもカゴの外に出て自由に過ごす

もはや放し飼い状態となっていました。


ある日、むむが部屋の掃除をする為に

チュン三郎をカゴに入れようと試みてみましたが相変わらずカゴに入るのを嫌がって

全くいうことを聞いてくれないチュン三郎。


仕方がなくむむは、チュン三郎が窓のサッシに止まったタイミングを見計らってカーテンを閉め、部屋の掃除をはじめる事にしました。


するとむむの姿が見えなくなった瞬間から

カーテンの向こうで


「ピィヤ!ピィ!ピー!ピー!」


と激しく鳴き始めるチュン三郎。


本当はすぐにでもカーテンを開けてあげたかったけど、そんな事をしていたらいつまで経っても掃除が出来ない!


むむはぐっと涙をこらえて、

心を鬼にして掃除を

はじめることにしました。


「早く掃除を終わらせるから、

待っててね!」


チュン三郎を早く出してあげるため

むむの掃除に対する気合いも

いつも以上です。


しばらくすると、ピィ!ピィ!と騒いでいたはずのチュン三郎の鳴き声がいつの間にか少しだけ変わっている事に気がつきました。


「ピィ!ピィ!ピィヤ!プチュ…」


「ピィ!ピィ!ピィ!…グチュグチュ…」


けたたましい鳴き声の途中に、

何だかブツクサ言うような

鳴き声が混じってる…。


しかもチュン三郎の鳴き声と鳴き声の間に、なんかすっげぇ小さく違う鳴き声が

混ざってるような気がするし…。


異変に気がついたむむがそっとカーテンを開けてみると、ピャンピャン鳴くチュン三郎に向かって網戸越しに話しかけているスズメの姿が…


むむと目が合った瞬間にすぐさま

スズメは勢いよく飛び立って行きましたが、あの時のあのスズメの


「お前人間と一緒に

暮らしてんのかよッッ!?」


的な顔は、

今思い出しても笑ってしまうくらい

かなり面白かったです。


…にしても、ちょっと監禁したくらいで

他の鳥に助けを求めるだなんて…


チュン三郎、

君はなんてあざとい奴なんだ。


まさかスズメ相手にむむの悪口を

言ってたワケじゃないよね?


そんな疑惑が渦巻く

とても穏やかな1日でしたとさ。


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