その言葉、信じるべからズ。


むむが高校生の頃は

いつも女の子ばかりの6人グループで

つるんでおりましてな。


社会人になってからも

変わらずいつも4~6人で集まっては

遊んでおりました。


むむ達が全員21才を越えたある日、

普段から特によく遊んでいた

むむ(仮名) ウメ(仮名) 泉(仮名) マロ(仮名)

の4人で集まっていた時ふいに


「そういえば

みんなで旅行に行った事ないよね。」


という話になりましてな。


そのまま話の流れで

みんなの都合を合わせて

2泊3日の旅行に行く事に。


旅行先やホテルをあらかじめ決めて、

何を持って行くか

どんな格好で行くかなど

みんなでたわいのない話をしていた時、

マロがポツリと言いました。


「ところでみんな、

寝る時は何を着て寝るの?」


…と。


今ならばもちろん、

みんな自分の手荷物を減らすためにホテルにあらかじめ備えてある浴衣や寝衣なんかを使うのでしょうが、


当時のみんなといえば、

片時もオシャレ心を忘れたくない

うら若き乙女達…


それは寝るときすらも誰よりも可愛い格好に身を包んで密かなマウンティングにいそしむか、女子特有の『みんなでオソロが可愛いよね~』精神で同じ衣装に身を包むか…


多感なお年頃のむむ達には、たかがパジャマ一つであれど深刻な問題となっていました。


「じゃあさ、

もうこの際みんなで高校の時のジャージを着て寝る事にしない?

めっちゃ懐かしいしさ。

みんなでジャージとかウケるよね。」


むむのそんな提案に、

旅行に行く事になったみんなは

快く賛同してくれました。


はじめての4人での旅行は幸い

お天気にも恵まれて。


新幹線の中からワイワイキャッキャと

1日中楽しんでいました。


ホテルについて夕食を済ませたむむ達は

歩き疲れた足を癒す為に

みんなで大浴場へ。


お風呂に浸かりながらの女子トーク。


たまにはこうやってのんびり過ごすのもいいよね~なんて語り合いながら脱衣室へ。


お風呂上がりにみんながそれぞれ

就寝前の姿となって集合した瞬間…


「むむ!

お前ふざけんなよ!!」


…と突如

泉の罵声がむむに向けられました。


見ると全身を必要以上に鮮やかな青で包まれた、右胸に「◯◯高校」という文字と自分の名字がハッキリと刻まれた高校ジャージを着こなす泉の姿が。


そんな泉の後ろからはワケもわからず

同じく青い高校ジャージに身を包んだマロが

キョトンとした表情でピョコンと顔を出しています。


「出たな!

修学旅行生ども!!」


ニヤニヤしながら

そんなツッコミを入れるむむの姿は

なんとこの日の為に新調したばかりの

オシャレなスウェット。


「あんた!

みんなで高校のジャージで

寝ようって言ったじゃん!!」


ブーブー言ってる泉の横で、


「むむが高校のジャージなんて

着てくるワケねぇじゃん。」


…といいながら、

これまた可愛いTシャツ・短パン姿で

髪を乾かしているウメ。


「いや~…さすがにハタチ越えて

高校のジャージ着るとかないっしょ」


とケラケラ笑うむむに向かって泉は


「もう!マロも何か言い返しなよ!!」


…とマロに話を振ることに。


するとマロは少しモジモジしながら

言うのでありました。


「まぁ、

私は今でも家でこのジャージ着て

寝てるからねぇ…」


…と。


お前、

いまだにソレを愛用してるのかよッッ!?


突如、脱衣室に戦慄が走った

そんな楽しい女4人旅でした。


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