鏡よ鑑

今日もまた洗面台で顔を洗うことから始める


自分が好きな時は鏡を見たくなる

自分が嫌いな時は鏡を見たくない



湖を覗くナルキッソスのように

自分に溺れたくなる時もあれば


アイギスの盾を睨むメデューサのように

自分に石化してしまう時もある



デジタルで自分を偽れる時代でも

鏡面は目の前の自分を正直に教えてくれる


白雪姫の魔法の鏡のように

正直に、辛辣に自分のことを教えてくれる



千差万別ある人間だけど

自分は同じ人間の一人


理想の自分がいれば、嫌いな自分もいる

人間はお互いに自分を見比べているのだ


服装、仕草や表情という手鏡でお互いを晒しあい

周りに合わせようと化粧をし合う



鏡よ鑑、鏡の檻はとても窮屈だ

私は私をずっと見ていなければならない


好きでも、嫌いでも

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