1日目 ある夜
私は私、大丈夫
今日は冷たい雨と風。夜の町を走る。
頼りない折りたたみ傘と
ガタガタいってる自転車と
雨をいともたやすくすり抜ける服
もしかして自分は
ひとりぼっちになってしまったんじゃないか
そんな気さえする
飛び去る車は笑い
作られた明かりは見下し
派手な看板の字は踊り出す
ねえだれかだいじょうぶっていって
冷めた風を受ける傘の骨が
回され続けるペダルが
重く重く沈んだ布が
世界はこんなにももろく崩れてしまう
全部作りもののような気がして
私も今夜崩れてしまいそうで
ああ私ってこんなに弱いんだ
そう思わせる夜
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます