俺、異世界にイッてしまう
「なるほど、つまりあなたは女神で俺を異世界に転生させてくれると、そういう事ですね?」
「えぇ、その通りです」
目の前の女性はその大きな胸を揺らし頷く。
今俺が言った通り、彼女は「女神」で死んでしまった俺を異世界に転生させてくれるらしい。
俺は考えた。
このまま異世界に転生すればこの体質も治るのではないか、と。
この体質のせいで俺は学校でイジメられていた。
すぐに絶頂してしまう俺を「イキスギくん」とからかい、俺の尻を撫で回していたヤツらの顔を思い出す。
舐めまわすようなネットリとした視線……より気持ちいいところを責めようと蠢く指……一体俺がナニを……いや、何をしたというんだ!?
俺は頭を思いきり振ってそれらを追い出す。
「分かりました。俺を異世界に転生させてください」
もうあんな思いはしたくない。
絶頂するだけの人生なんてまっぴらごめんだ、俺は異世界で普通の人間として生きてみせる!
「いいでしょう、それではあなたの異世界での生活がより良いものとなりますように」
そう言って女神が手を大きく広げると、もともと白かった世界がさらに白い光におおわれていく。
俺は目をつぶり自分の体が柔らかい光に包まれていくのを感じた。
それは尻や股間も例外ではない。
「……ん?」
だが違和感を感じる。
懐かしいような、懐かしくないような感覚。
そうだ、これは絶頂するときの感覚だ。
でもなんで転生するはずの体が絶頂しそうになっているんだ?
……いや、まさかな……でも、もしそうだったら……。
俺は言い知れぬ不安感に煽られた。
「め……女神様……」
俺は閉じていた目を開け女神に確認しようとする。
すると、白い世界の中で女神は笑顔で頷いていた。
なるほど……やっぱりそういうことなのか……ちくしょうっ! 俺は死んでもこの体質からは逃れられないって、そう言いたいんだな!?
クソッ! クソッ! 嫌なのにっ! 自慰以外でなんて絶頂したくないのにぃっ!! それなのにぃっ!!
だが押し寄せる快楽に逆らう事は出来ない。
「ウ゛アアアアアアアッ!? イセカイニィッ! イクイクイクイックゥウウウウッ!!!」
瞬間、核爆発のような衝撃が全身を襲った。
体が痙攣し、つま先がピンと伸びる。
そしてあまりの快感に白目を向き、舌を突きだしてしまう俺。
「イッてらっしゃい」
女神のそんな声が聞こえ、俺の意識はそこで途絶えた。
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