#9

 うし。と1人頷いた万治は


「んじゃ、伊藤さん。今日一日の行動を教えて貰っていい?出来たら付き落とされるところまで」


「え? あ、はい・・・」


 俯き頷く伊藤は、答えを続けた。


「今日は朝十時に大学のサークル室に集まって議題について考察をしてました。そして十二時過ぎに一旦解散し、少しサークル室に残り議題をまとめ、十三時十五分頃に秋葉原に着いて、ご飯を食べてイベントに向かいました。イベントが終了して、大学に帰る時に被害にあいました。今日は遅れない様に、いつもの再集合の時間の十九時間に合うように早めに行こうと思っていたのに・・・」


「了解。そこで質問名のだけど、今日伊藤さんがこのイベントに来るって知っていたサークルメンバーはいる?」


 深い深呼吸をして伊藤は答えた。


「たぶん、みんな知っていたと思います。凄く楽しみにしていたし、ウキウキしていたので自慢話の様に皆さんに言っていましたので」


 ふむふむと頷きながら、万治は左の眉毛を左の中指で掻いた。

 そしてウンと一区切りつけるように小さく頷いて万治は質問を重ねた。


「次に。いつもの再集合の時間の十九時間に合うようにの前に、今日は遅れない様にと言っていたけど遅刻癖があるの?」


 左右に首を振る伊藤。


「いえ、そんな事はなです。ただ先日、人と大学の近くのカフェで別の大学のシャドージャンプ文明について研究してる人に会ってて遅れたんです。その日は大事な研究発表がある集まりで、その時にサークルの会長が遅刻について凄く怒っていたんです。だから―――」


「あ、もうそろ十九時になるね。また、部長に怒られないよう今から、行こう。すぐ行こう」


 話を遮る様に万治は立ち上がって、残りのコーヒーを飲み干した。

 その行動に他の三人はキョトンとしている。


「え、あ、ちょとまてちょとまてお兄さん。犯人分かった感じ?」


 万時の袖を引っ張ってアヤメが尋ねると、万治はニヤリと笑って、


「あぁ、大方はね。真実はいつも一つだから、大体は。よっしゃ、真実をつき止めるぜ、じっちゃんの名に懸けて!」


 凄い顔を決めてドヤ顔の万治。


「いや、お前のじっちゃん、ただのラーメン屋だろ。しかも、ラーメンは中の下のクリオリティーだし。寧ろ炒飯がなまら美味いだけの、ただのラーメン屋だろ」


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