第67話 壮言大語 そうげんたいご
「へぇ~亜紀人がね…そんなこと考えているの」
「はい」
サクラは、彩矢子の研究室へいた。
「ふ~ん、まるでSFね、まぁ面白いけど」
「あの…彩矢子様は、第2世代について、どう考えてたのですか?」
「ん、亜紀人の廉価版よ…それ以上でも、それ以下でもないわ」
「廉価版ですか」
「そう、亜紀人のコピーには成り得ないのよ…だから亜紀人の端末程度の役割しか果たせないかなと…」
「なぜですか?DNAはコピーできるのでは?」
「亜紀人は100分の1じゃないのよサクラ…遺伝確率250億分の1、あるいはそれ以下で奇跡的に産まれたのよ」
「250億分の1?」
「そうよ、だから成功なんて在り得なかった、ただ、あの段階では母体にどういう影響が出て、産まれた個体が正常か否かを計るためだけの実験だったのよ」
「それが…産まれてしまった…」
「そう…だから、姉さんは逃げたの、自分の子供を普通に育てようとした」
「それで、あの飛行機事故で…」
「確信していたの、あの子だけは死なないと…実際は随分探す結果になってしまったけどね」
「だから安心して爆破した」
「少し違うわ、最初の実験よ言うなれば、それで死ぬようであれば、ただの近似値よ…あの子も、他のナンバーズ同様にね」
「でも死ななかった」
「だから確信したの、あの子は奇跡なのよ…子供じみた妄想に思える研究も、あの子ならやりかねないの…止める術もない」
「好きなようにやらせていいのですね」
「もちろん、この世界はあの子が造るのよ、もう造っているのかもね」
「はっ?」
「いいの…妄想よ私の、ソレに私の興味は、あの子に、もし子供が作れるのならば…どんな子を産むのか?ソッチに興味があるの」
「ナミさんは、そのために?」
「そうね…まぁ、どうかと思うけど…ほら、マリアだって娼婦だったって説があるじゃない、キリストを産むのが風俗嬢なんて運命感じない?」
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