たとえ私の居場所が世界の端でも

四ノ宮 唯架

第1話 私


私は人の悪口を言う奴が嫌いだ。








がたん、ごとん。

電車の音が田舎町に響く。

その日はたまたま夜遅くまで部活をやっていて、帰りが遅くなった。



『次は 春日里_』



降りる駅に到着した。

ホームへ降りて、歩道橋へ向かう。

目の前の女子高生2人が、厭らしく笑う。

「あいつ、また1人で電車乗ってたよ」

「ボックス席にぼっちって」

「痛いわー」

「きもっ」




私は疲れていた。

部活が長引いたせいなのか、そのせいで電車を1本逃してしまったからなのか、

ひどく身体も心も疲労していた。


歩道橋の階段を上がって行く。

目の前の女子高生2人は電車が走っていったというのにまだ悪口を続けている。


疲れていた私は、女子高生の付けていた片耳のイヤホンを外した。


「はっ!?」


短いけれど威嚇しているのが分かる口調で、女子高生は言葉を発した。


もう片方の女子高生は、何?とぼやきながら後ろを振り向く。


「あんた誰…?!何してんの?!」


それはそうだろう。

見ず知らずの女子高生に

急に攻撃されたんだから。




私は本橋 ゆみな…

人の汚い所が嫌い。

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