俺の母ちゃんはスーパーサイヤ人(並みに強い)①

@karaokeoff0305

俺の母ちゃんはスーパーサイヤ人(並みに強い)①

俺の母ちゃんは怒らせると怖い。

さっきも少し調子に乗って、「最近太ったなw」って冗談言ったらブチ切れて

フライパンをブン回してこっちに突進してきた。怖ぇ、クソ怖え。



そんな俺は一時身の安全を確保する為、近くの公園に緊急避難してきた。

フライパン持って此処まで追い掛け回してくるかもしれないから、一応人目のある公園に逃げ込んだ。此処なら安全だろう。後回しにしていた夕食もようやく口にすることができる。



「ふぅう~。落ち着く・・・」


のんびり、カップ麺を啜りながら沈みゆく太陽を眺める。

橙に輝いていて、壮大でなんて美しいんだろう…と、ノスタルジックな気分に浸りつつ。


「あ、もしもし上田?俺黒田だけど。俺母ちゃん怒らせちまって・・・

今日お前ん家泊まらしてくんね?」


「別に良いけど。怒らせるって、何やらかしたんだお前・・・」



真剣に心配してくれる友人に向かって本当の事を話すわけにもいかない。

母が怒った理由は誤魔化し、友人の家に泊まる約束をとりつけた。



(あ~良かった、何とかなって・・・)


フウ~ッと溜息を吐き、スマホの画面を綴じた。

今日泊まるところがなかったらどうしよう。金も無いし、最悪野宿かな。

そんな考えが、頭を過っていたから。



「母ちゃんも何もアレくらいであんな怒らなくても・・・」


プイ、と顔を膨らませそう言って口を尖らせた。

冗談のつもりだったのに。―あれくらい、流してくれたって良いじゃんか。


(まぁ良いや。怒らせた俺も悪いんだし・・・)


そう思いたち、スマホのメール作成画面を開いた。

『さっきはひどいこと言ってごめん。本当は全然そんな事思ってないよ』

そう入力し、送信のボタンを押した。なんて返ってくるかな?

『本当に反省してるの!?』―こんな感じでもっと怒られるかな?

母から返ってくるメールの内容を想像しながら、ギィコギィコと、公園にあった

小さなブランコを漕いだ。

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