第67話 プレイス

「当然、知っているわけですよね?崇さんも」

「えぇ…」

「そうですか…それで、その聞いた話とは?」

「あぁ、そうですね、すいません…村は土葬だったのですが、当時、神隠しや奇病が流行った時期があったそうです、その奇病というのが突然死、その遺体が…何日経っても腐らないそうで、崩れた巫女の呪い、祟りと恐れた村人は、その遺体を鏡と一緒に埋めたそうです」

「池の下にはということですか?」

「さぁ…解りませんが、ただ…私が勤める前に焼却できない遺体があったと…」

「その遺体は?」

「突然死で…眠っているようだったと…」

「どうしたんですか?その遺体?」

「気味悪がって…土葬にしたそうですが…」

「どこに?」

「そこまではちょっと…聞いただけですけどね、ただ、父から聞いた神社の話とダブって聞こえてしまって」

「なるほど、大体解りました」

 スクッと立ち上がる花田。

 腰に手を当て、温くなったお茶をグイッと飲み干す。

「ありがとうございました」


 火葬場を後にした花田。

 フンッ、フンッと鼻息荒く相良を迎えにファミレスへ向かうのであった。

 心なしか運転は荒く、時折タイヤをキュキュキュと鳴らしてカーブするくらい。


 その頃、相良はファミレスでハンバーグとナポリタンを食べていた。

(この組み合わせが一番しっくりくるんだよな~)

「ライス大盛りお待たせしました」

「はいはい」

 ハンバーグにライスというか、ナポリタンにライスを合わせるのが相良のスタイルだ。

 なんならカレーライスのようにナポリタンをライスに盛るくらいだ。

「気持ち悪い食べ方ですね…」

 タイヤを鳴かせながら駐車場に入ってきた花田が顔をしかめながら正面に座る。

「特ダネです」

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