第43話 イビル
「日記っての…見てみたいな」
「崇さんが言っていた日記ですね」
「あぁ…う~ん、持っていると思うんだよな~」
「桜井崇ですか」
「いや…敦のほうさ」
「えっ?」
「持っているのは、たぶん敦のほう」
「息子さんですか?なぜ?」
「なぜ?神社…いや池のことを話したがらない男が、池のことを書いた日記の存在なんて話すわけないじゃない…持っていればさ」
「無いから話したってことですか」
「関係あるから…話したのかもね」
「神社の話を聞きに行ったんですから無関係とは思わなかったのでは?」
「そうかな~澤田くんの家出に関係ありそうだから…あるいは、昔もあったから、それを知っているから…と俺は思っちゃったんだけどな~早計かもしれんけど」
「相良さんが、敦と結び付けたがっているからじゃないですか」
「うん、だから早計かもなんだ、でもね、敦が日記を持っている、祖父の遺品から神社の関係資料をいくつか所持しているとしたら、と考えてしまうんだよ」
「祖父さんが、神社関係のナニカを所持していたという前提で、ですよね」
「もちろん、その可能性は高いと思うよ」
「なぜ?」
「花田巡査、キミが桜井崇のことを聞いたのは、俺が泊まってる民宿の爺さんだろ」
「そうですけど…あの旅館のお爺さんです」
「民宿の爺さんが言うにはだ、桜井家は、あの神社を建てる時に、その中心になったと…桜井家の誰かが池に落ちて…って話だろ」
「旅館のお爺さんの話知ってたんですか?知ってて私に探させたんですか?」
「民宿か…旅館かは置いといてだ、あの家には何かあるんだと思うんだよ」
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