プロローグ2

光が収まった後、体は自由に動く様になっていた。左目は先程の激痛がまだ残っているように感じ、目から涙がポロポロと溢れ、初めは血なんじゃないかと心底恐怖した。


左目の痛みを紛らわそうとキツく閉じ、左手で目を覆う様にした。



あの光はなんだったのか?

何故魔法陣が発動したのか?



そんな疑問が幾つも出てきたが、それよりも先に左目がどんな風になっているかを確かめるために洗面室に向かった。



先ほどのことで、体がふらふらとまともに歩けなかったが、壁に手を掛けながらなんとか洗面台についた。



大きな鏡が左目を閉じて顔が青い俺の顔しっかり写していた。




恐る恐るキツく閉じていた左目を開けると











黒色だった瞳が金色に輝いていた。


「ナンダコレハ?」

言葉がカタコトになる程驚いた。いつもの黒目ではなく、金色になっていたのだから当然だろう。

ただ、その驚きは長続きする事はなかった。



何故なら左目を開けて20秒も経たないうちに多くの情報が流れてきたからだ。



情報といのは鏡の材料や、その作られてからの時間、誰が作り何処で作られたのか、その材料は何処でどの様に集められたのか、そして、これまでどんなものを写してきたのか。



そんな多くの情報を20秒で無理やり脳に詰め込まれたのだ。




それに気づいて反射的に目を閉じだが、その時点でかなりの情報量に体が耐え切れず、目眩と吐き気が現れ、そのまま気を失ってしまった。



すべてを知る目


俺が思いつきで願ったもので、たまたま手に入れた目だ。



その目は確かにすべてを知る目なのだろう。ただ単純に、凡人である俺がそれを使いこなせないだけなのだ。

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