扉の中のタワーファンタジー

ゆきんこ

episode1-1  始まりのとき

「あーよく寝た。今日も学校に行こう」

今日も、何気ない一日が始まろうとしている。朝の支度を済ましいつも通りに学校へと向かった。

僕の通学路には、いつも会うお婆さんがいて、毎日挨拶をしてくれるのだが今日はなぜか、地図が書いてある本を持って少し困っている様子だった。




「地図を買ったのですか?何か困っていたらお力になりますよ。」

すると、お婆さんは神妙な面持ちで「道を教えてくれないかね。でも、この扉を開けてその一番頂上にいってからにしておくれ」





そう言うと、どこからともなく扉が現れたのであった。扉はどこか怪しげで、重厚感のある鉄製の扉だった。


「いいですよ」

お婆さんは「ありがとうなあーこれでアレができるわい」  

そういっていたときの表情は心底喜んでいるようにも見えたが、どこか、陰険な顔をしているようにも見えた。


そして、僕は扉を開けて入った。

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